羽生 復興への思い込めフリー曲決定

 来年のソチ五輪出場を目指すフィギュアスケート男子の羽生結弦(18)=ANA=が30日、故郷の宮城県仙台市内で練習を公開した。今季のフリーのプログラムは、ニーノ・ロータ作曲の「ロミオとジュリエット」で臨むことが決定。被災した東日本大震災直後の11‐12年シーズンのフリーと同じ演目で、復興への思いとともにソチでの金メダル獲得を目指す。SPは、昨季と同じ「パリの散歩道」を用いる。

 特別な思いとともに、勝負曲を決めた。故郷仙台での公開練習。力強いジャンプと、繊細かつ軽快なステップに気合がこもっていた。今季のプログラムを披露し、フリーの曲名は「ロミオとジュリエット」に決定。壮大な音楽とともに描かれる悲恋の物語を、情感たっぷりに演じた。

 「同じ曲ではないけど、震災があったシーズンに全国を転々としながら、アイスショーで滑った。この物語は、すごく特別なものだと感じている」

 作曲家こそ違うが、「ロミオとジュリエット」は、東日本大震災直後の11‐12年シーズンに滑った演目だ。11年3月11日、羽生はこの日と同じアイスリンク仙台で被災した。その後、練習場所を求めて、全国各地のリンクでアイスショーを滑りながら、練習時間を確保した。

 12年3月の世界選手権のフリー。右足をねんざしながら、魂の演技で銅メダルを獲得した。その後、練習拠点をカナダに移したが「カナダでの2年も大事だけど、震災からの2年も含めて五輪までの4年。その集大成の思いを込めたい」と言い切った。あの経験があったからこそ、今の自分がある。思いをプログラムに込めている。

 パ・リーグ優勝に突き進むプロ野球の楽天の話題になると破顔一笑した。「マー君、すごいですよね。あの楽天がねぇ」と感慨深そうにうなずいた。自分も負けていられない。故郷への思い、復興への願いを込めて、若武者は夢舞台へ突き進む。

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