広島・前川 プロ初安打初打点 代打で右越え適時二塁打 7月28日支配下登録の21年育成ドラ2
「DeNA9-5広島」(7日、横浜スタジアム)
横浜で希望の星が輝いた。7月28日に支配下昇格を果たしたばかりの広島・前川誠太内野手(22)がプロ初安打初打点となる適時二塁打を放った。球団の育成出身選手がプロ初安打で打点を挙げるのは、2010年の中谷翼以来15年ぶり2人目。チームは乱打戦を落とし、カード負け越しで5位に再転落するも、鯉の未来を担う若手が大きな一歩を踏み出した。
負けたのにどこかすがすがしい。6点ビハインドから、一時は1点差に追い上げる気迫を打線が見せた。その中で価値ある一打を放ったのが、高卒4年目にして今カードから1軍初昇格を果たした前川だった。
プロ初安打は右越えの適時二塁打となり、プロ初打点もマーク。「やっと一歩踏み出せたなと思いますし、とりあえずホッとしている。プロ初ヒット、めちゃくちゃうれしいです」と声を弾ませた。
プロ通算2打席目は好機でやってきた。4-6の四回2死二塁で代打として登場。マウンド上の坂本に追い込まれながらも最後は直球を振り抜いた。「フェアゾーンに入ってくれ!落ちてくれ!」。そう願いながら見つめていた打球は右翼線の内側で跳ねた。二塁ベースに到達すると、渾身(こんしん)のガッツポーズを決めた。
21年度ドラフト育成2位で入団し、今季が4年目。昨オフには足首の手術も受けていた中、今季はウエスタンで打率・279、0本塁打、20打点をマークし、7月28日に支配下に登録されて5日からは1軍に昇格した。
巡ってきた好機を生かした若武者の姿に新井監督も「遅かれ早かれ(安打は)出るだろうなと思っていたけど、まさかああいういい場面でね…。自分もうれしかった」と大きくうなずいた。
育成からはい上がってきた道のりの中には大胆な行動もあった。2年目のオフには矢野を通じて、それまで話したことすらなかった菊池に弟子入りし、自主トレに参加した。「まずは守備。守れないと試合には出られない。守れたら気持ち的にも(プレーの)幅が広がると思うので」と守備の名手の胸に飛び込んだ。支配下昇格への最短ルートを俯瞰(ふかん)する力と貪欲な姿勢が今の姿に結びついている。
支配下昇格祝いとしてロレックス社製の高級腕時計をプレゼントしてくれた母校・敦賀気比の先輩で、前広島のオリックス・西川に対しては「いろいろお世話になっているので今日の初ヒットも報告するつもりです」と笑顔。目標の選手には「キクさん(菊池)みたいに何でもできる、チームに欠かせない存在になりたいです」と決意した。176センチ、69キロの細身な背番号93が先輩たちの大きな背中を追う。
◇前川 誠太(まえかわ・せいた)2003年4月4日生まれ、22歳。京都府出身。176センチ、69キロ。右投げ右打ち。内野手。敦賀気比高では3年時に春夏連続で甲子園大会に出場。21年度ドラフト育成2位で広島入団。24年10月にいったん戦力外通告を受けたが、同年11月に再契約。25年はウエスタンでの活躍が評価され、7月28日に支配下登録。8月5日のDeNA戦で1軍初出場を果たした。
