広島・末包 “満塁で打てない”呪縛解く先制2点打 阪神戦連敗10で止め後半戦初勝利 「何とかしなくちゃならない状況だった」

 「阪神3-6広島」(31日、甲子園球場)

 広島は打順組み替えが奏功し、阪神戦の連敗を10で止めた。2試合連続完封負けで迎えた初回、無死満塁から4番に入った末包昇大外野手(29)が先制の2点中前適時打。今カードで再三、満塁機を逃していたチームに待望の得点をもたらした。これで連敗は7で止まり、ようやく後半戦初勝利。苦しんだ7月戦線が終わり、8月を反攻の1カ月にしていく。

 末包の巨体は、使命感にあふれていた。「『何とかしたい』じゃなくて『何とかしなくちゃならない』状況だった」と悪循環に終止符を打とうと誓った。そして高いバウンドの打球が中前に抜けると、ベンチに向かって両手を突き上げて感情表現。今3連戦初めてスコアボードに「0」以外の数字を刻み、先手を奪うことに成功した。

 勝負どころは、いきなり訪れた。初回先頭の秋山が四球。続くファビアンの打球は投ゴロ併殺かと思われたが、打球を処理した伊原が二塁へ悪送球。ラッキーな形で一、二塁となり、小園の右前打で無死満塁の絶好機が到来した。「無死満塁は最初の打者にかかっていると思う。チーム状況的にもあまり良くない中で、運も味方に結果として先制できて良かった」と息をついた。

 広島は29日のカード初戦、六回2死満塁と七回無死満塁で得点を挙げられなかった。さらに30日も、二回1死満塁のチャンスで無得点。甲子園での“満塁の呪縛”をようやく解き、自軍に流れを引き寄せた。

 右の大砲は「とにかく点を取らないことには、チームとして乗っていけないと思ったので、まずは1点を取ることを目指した」と集中力を研ぎ澄ませた。自身は2戦連続マルチ安打でこの日を迎え「ある程度、決めを持って(打席に)入れた。29、30日と、いいスイングができていて自分の中で自信があった。いいラインに(バットが)入ってくれたので、ああやってセンター方向に抜けてくれたのかなと思う」と振り返った。

 この日はファビアンを6月28日以来の2番に置き、末包は6月6日以来の4番に入った。新井監督は「29、30日で点が取れていないので、ちょっと変えようと。ファビを上げて、スエ(末包)も30日の内容がすごく良かったので、今日の打順にしました」と打順変更の狙いを説明。初回は末包の一打で終わらず、モンテロの適時打で3点目を奪う攻撃となった。

 急失速の今月は4勝16敗3分け。負ければ月間勝率1割台の危機で7月最終戦を白星で飾った。「勝てていなかったけど、後半戦の雰囲気はすごく良かった。みんなの『何とかするんだ』という気持ちも伝わっていた。これを機に、どんどん上げていきたいよね」と逆襲を見据えた新井監督。真夏の大反攻で上位進出に望みをつないでいく。

 ◆月間勝率1割台を回避 阪神に勝ち、7月の月間成績を4勝16敗3分けで終えた。月間勝率・200となり、かろうじて2割台をキープ。もし敗れていれば3勝17敗2分けで勝率・150となり、2勝11敗1分けで勝率・154だった1968年7月以来、57年ぶりの月間勝率2割未満になっていた(記録は月間10試合以上の場合に限る)。

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