さすがの勝負強さ!広島・小園 逆転V2点三塁打 得点圏打率セトップ・419! 貯金1、単独2位浮上
「中日1-2広島」(28日、バンテリンドーム)
ここぞの小園じゃ!広島の小園海斗内野手(25)が値千金の一打でチームを逆転勝利へ導いた。1点を追う六回2死一、三塁の好機で右越えの2点適時三塁打。リーグトップの得点圏打率・419を誇る勝負強さを見せつけ、敵地で輝きを放った。チームはリーグ戦再開後初勝利。貯金を1とし、単独2位に再浮上した。
小園らしい迷いのないスイングだった。打球が右翼フェンス手前で弾むと、鯉党の大歓声を浴びながら一気に三塁へ。スライディングからすぐさま立ち上がると、三塁側ベンチに向かって大きく手をたたき、喜びを表現した。集中力を研ぎ澄まし、一振りで勝負を決めた。
「無(の境地)でいった。焦らず、自分のスイングをしようと思っていた。チャンスでしっかり捉えることができて良かった」
値千金の一打は1点を追う六回に飛び出した。2死一、三塁で涌井と3度目の対戦。初球のカットボールを右翼フェンス際まで運び、2者が生還した。「振ろうとは思っていなかった」という初球を見事に捉えた一打。「たまたま。反応じゃないですか」と、12試合ぶりの打点を振り返ってニヤリ。「狙ってあそこに打てたらずっと打てる。いいところに飛んでくれた」と息をついた。
勝負強さは健在だ。この日も好機で2安打を放ち、得点圏打率はリーグトップの・419まで上昇した。重圧のかかる場面で活躍できるクラッチぶりの要因を問われると、「なぜか打てる。自分でも分からない」と苦笑い。勝負強さの源は分からずとも、ここぞの場面で背番号5が打席に立つと、期待感が高まることは間違いない。
交流戦終了後のオフには「秘密特訓」を行った。その内容とは、あえてバットを握らず野球のことを考えない時間をつくるというもの。「全く野球のことは考えていなかった」と勝負の世界から離れ、家族と大分で1泊の温泉旅行を楽しんだ。「なかなか楽しいところとか連れて行ってあげられていないので良かった」と笑顔。心身ともにリフレッシュして臨んだリーグ戦再開後は、2試合連続でマルチ安打を放ち「特訓」の成果を存分に発揮している。
チームは昨季からバンテリンドームで16試合連続3得点以下となった。接戦になることは覚悟の上で敵地に乗り込んでいる。昨季は3勝9敗1分け。今季も全4試合が2点差以内で決着するなど厳しい戦いが続く中で、小園の存在は心強い。ここから迎える夏場のアツい戦いも“ここぞの小園”が価値ある一打でチームを勝利へ導いていく。





