広島・野村、目指せ100勝 球団ハッパ「まだまだやれる」 減額制限間近1700万減

 広島・野村祐輔投手(33)が22日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸7200万円から1700万減の5500万円でサインした(金額は推定)。今季は2シーズンぶりに白星を挙げたが減額制限に迫る24%の減俸。球団からは通算100勝に向け背中を押され、本人も来季、先発としての巻き返しを誓った。

 もうひと花咲かせたい。スーツ姿の野村は契約更改を終えると「来季も契約させていただきました」と、率直に球団への感謝を口にした。

 今季は9試合で2勝3敗、防御率5・23。離脱した大瀬良の代役として先発した6月10日・西武戦では618日ぶりとなる白星。2シーズンぶりに勝利を挙げたが、以降は結果を残せなかった。「(球団からは)まだまだやれるという言葉を言っていただけた。なかなかうまくいかないところが多かった。悔しいシーズンです」。

 一昨年に右鎖骨下の血栓を除去する手術を受けた影響から、昨季はプロ10年目で初めて未勝利。挽回を期した今年も、キャンプ前に下半身のコンディション不良で出遅れた。近年は不完全燃焼のシーズンが続く。それでも16年には最多勝と最高勝率の2冠に輝いた。野村にしかない実績と経験が、武器になる。

 その思いは、球団も同じ。阿部球団部長は33歳の右腕に「まだ老ける年ではないですよね。成績を見ても今(チームの投手陣で)100勝に一番近い。まだまだやれる年」と背中を押したことを明かした。チームでは最多の通算79勝。交渉の席では下柳剛、能見篤史がともに39歳1カ月で通算100勝を達成したことを例に、発奮を促したという。

 デビューからの連続先発登板記録、202試合も更新中。「やっぱり、先発はやりたいなと」とスターターとしてのこだわりも持ちながら、来季への準備を進めていく考えだ。

 オフは投げることに主眼を置く。トレーニング、走り込みと並行し「投げてしっかり体に染みこませるのが、一番のテーマになってくると思う」とプランを描く。ブルペン入りしない場合も、ネットスローなどでフォームの安定性を高める。

 新井新監督の下、迎える新たな戦い。「(監督と)また一緒にやらせていただくのは、すごくうれしいこと。何とか勝利に貢献したい」と野村。歯がゆい思いはもう味わいたくない。新生カープの歯車の一つとなるため、一歩ずつ歩んでいく。

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