広島・森下 今季&マツダ初完封 村上K斬りで締めた 打っても快調!今季10安打目

 マツダ初の完封勝利を挙げ会沢と握手を交わす森下(撮影・立川洋一郎)
 9回、最後の打者・村上を空振り三振に仕留めて拳を握る森下
 7回、右前打を放つ森下(撮影・立川洋一郎)
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 「広島2-0ヤクルト」(9日、マツダスタジアム)

 広島・森下暢仁投手(24)が強力ヤクルト打線を散発の5安打に抑え今季初、マツダスタジアムでは自身初となる完封でチームトップの9勝目を挙げた。新人からの3年連続完封勝利は、球団では1995~97年の山内泰幸以来。開幕からの、本拠地でのヤクルト戦の連敗も6でストップ。後半戦に入って先発投手陣が苦しむ中、若き右腕が悪い流れを断ち切った。

 九回2死で迎えた村上。森下はギアを入れ直した。103球目にこの日の最速152キロを記録すると、最後の104球目は内角をえぐるカットボールで空振り三振。3年連続で、自身3度目の完封勝利に、笑顔で女房役の会沢と抱き合った。

 「いやもう(村上に)最後4本目打たれなくて良かったです。三振を取りに行きました。本当に1番最後、いい曲がり方をしてくれて、勝てました」

 今季2本塁打を献上している村上には、そこまで3安打を許していた。だが、いずれも単打。長打以外ならOKと割り切り、前後の打者を断つことを心掛けた。

 といっても、簡単なことではない。試合前の時点で、ヤクルト戦の被打率は・346。塩見は4割、山崎には6割を打たれていたが、低めを丁寧に突き、カーブで緩急を効かせる投球で1~3、5番を無安打。完全に分断してみせた。

 「最近、ここずっと3点とか点を取られること多かったのでなんとか、1点を守りたいなと思っていました」

 五回は無死一塁からオスナを三ゴロ併殺打。七回は無死一塁からサンタナを三振、二盗を試みた村上を会沢が刺す三振ゲッツーと効果的に併殺も取れた。

 「いつの間にか八回にいってたんで、早打ちされていたのかなという感じです。あっという間でした」

 力強い投球の裏には、キャンプから取り組んできた成果がある。投球板を右足で二塁方向に蹴る。

 「(捕手方向に)まっすぐ力を出せるように。最近はあんまり意識してないかもしれません」

 地道に続けてきた努力が、気がつけば自分のモノになっていた。

 投球だけでなく、打撃でも七回の右前打で今季10本目の安打。球団では2018年・大瀬良以来となる投手の2桁安打も到達した。チームとしては、マツダスタジアムでのヤクルト戦で今季初勝利となった。

 「(安打は)たまたまです。(完封は)本当に久しぶりでした。9回投げられるのが一番いいと思うので、しっかり準備していきたいと思います」

 4番不在の中、若きエース候補が見せた快投。チームに、ファンに勇気を与えた。

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