広島、流れつかんだダブルスチール 伝統の足攻で主導権
「日本シリーズ・第1戦、広島5-1日本ハム」(22日、マツダスタジアム)
25年ぶりに日本シリーズに出場した広島が、投打がかみ合って先勝した。打線は日本ハム先発・大谷から3点を奪うなど、相手投手陣を攻略。お家芸ともいえる重盗で先制点を奪い、試合の流れをつかんだ。緒方監督は勝利監督インタビューで「サードランナーの鈴木誠也、スタートの判断は難しかったと思うんですけど、よくスタートを切ってセーフになってくれました」と、三塁走者・鈴木を褒めた。
日本ハム先発は大谷で、大量点は望めない。そんな状況で二回、四球と安打などで1死一、三塁のチャンスをつかんだ。打席には今季の打率・202の石原。緒方監督は初球、そしてカウント2-1からの4球目の2度、スクイズのサインを出した。しかし、いずれもファウルとなり失敗。5球目を空振りして三振に倒れた。
ここで一走・安部が盗塁のスタートを切る。捕手の大野が投手・大谷に向けて返球したが、大谷はこれをよけてしまった。二塁手、遊撃手はカバーが遅れ、送球を捕るのが精いっぱい。すかさず三走の鈴木が生還した。
広島は、緒方監督が指揮を執った昨季から、この足を使った攻撃を、ここぞの場面で繰り出してきた。阪神は昨季、広島に2度も重盗で得点を奪われ、秋季キャンプでは重盗阻止の練習に取り組んだこともあった。
広島伝統の足を使った攻撃が、日本シリーズという大舞台でも大きな武器になった。