菊池 両リーグ最速140安打も鯉惜敗 奮闘猛打賞実らず…巨人と4・5差

 「広島1-2阪神」(10日、マツダスタジアム)

 猛打及ばず-。広島・菊池涼介内野手(26)が3安打を放ち、両リーグ最速でシーズン140安打を突破。初回に先制点の起点となる中前打で出塁し、その後もバットで勝利への道筋を整えたが、チームは13残塁の拙攻。5度の得点機でボークによる1得点しか奪えず、巨人とのゲーム差は再び4・5に縮まった。

 一打サヨナラの九回2死満塁。新井が右飛に倒れて試合が終わると、真っ赤に染まった球場は大きなため息に包まれた。勝負どころで決定打不足に泣き、奪った得点は初回、能見のボークからの“スミ1”だけ。重ねた残塁は「13」を数えた。拙攻で喫した黒星。その中で菊池が放った光はまぶしかった。

 先制点のきっかけをつくった。初回1死から中前打を放つと丸の右前打で一、三塁。ボークで先制の本塁を陥れた。1-1の五回には先頭で打席に立つと、遊撃への打球に一塁へヘッドスライディング。内野安打を勝ち取り、得点への強い意欲を示してみせた。この安打が今季両リーグ最速の140安打目だ。

 1点をリードされた七回にも中前打を放ち141本目。10試合連続安打、そして今季11度目の猛打賞で、昨季の143本にあと「2」と迫った。試合後は口を結んで、無言でロッカーへと歩を進めた。勝利への執念が誰よりも強い。自身の結果より大事なものがある。チームの敗戦が、何よりも悔しかった。

 得点圏に5度、走者を進めるも1得点に終わった。先制後の初回2死一、三塁では鈴木が三ゴロ。八回2死一、二塁では代打・安部が三振に倒れてスコアボードに「0」が刻まれた。それでも緒方監督は前を向いた。

 九回は1死から田中が選んだ四球をきっかけに満塁とし、藤川を追い詰めた。「得点を取る形、シチュエーションはできている。最後まで、ウチらしく集中力を持ってやってくれた。負けたけれど、明日につながる」と言葉に力を込めた。

 巨人がDeNAに勝利したため、ゲーム差は再び4・5。最大11差がじりじりと縮まってきた。だが、選手が常々口にする「目の前の一戦一戦に全力を傾けていく」ことに変わりはない。この日、菊池が見せた勝利への執念は、チーム共通のもの。残り37試合。山あり谷ありの8月戦線を乗り越えて、栄冠をつかんでみせる。

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