緒方監督ゲキ!若鯉よ、ポジション奪え

 広島・緒方孝市監督(46)が13日、マツダスタジアムでの全体練習で、外野で起用する鈴木誠也内野手(20)とドラフト1位・野間峻祥外野手(22)=中部学院大=に約1時間半の直接指導を行った。20日からのソフトバンクとの3連戦は、開幕1軍メンバーで臨む方針。指揮官の行動は、結果を残して開幕1軍、そして右翼の開幕スタメンをつかみ取れという熱いゲキだ。

 緒方監督には理想の開幕オーダーがある。鈴木誠、野間のどちらかが、右翼で出場することだ。そしてその思いが、この日の行動につながった。全体練習終了後に2人と屋内練習場に移動。報道陣シャットアウトで行われた居残り練習で、約1時間半のロングティーを行った2人を熱く指導した。

 「2人にはライトのポジションを空けている。どちらかがチャンスをものにしてほしいから」

 今春キャンプから始まった右翼のレギュラー争い。それをリードしたのが鈴木誠と野間だ。3月に入り本格化した実戦でも、それは変わらない。オープン戦、練習試合の計7試合で、どちらかを右翼で先発起用してきた。だが鈴木誠は26打数5安打で打率・192、野間も20打数1安打で打率・050と苦しんでいる。

 指揮官は2人の能力を高く評価している。14日のオリックス戦(福山)終了後に最初のメンバーの絞り込みを行うが「誠也は数字は残せていないけど、結果以上の内容を感じる。野間は打って守って走って、1軍レベルを肌で感じてほしい」と、2軍には落とさず、継続して出場機会を与えることを明言した。

 ただ、それは開幕1軍、スタメンを約束するものではない。黒田、新井が復帰し、本気で優勝を狙うシーズン。「勝ちに行く。シーズンでは、育成(目的)でポジションを用意するつもりはない」と言い切った。

 20日のソフトバンク戦(ヤフオク)から、開幕1軍メンバーで戦う方針。鈴木誠、野間の2人は、残された4試合で結果を残さなければならない。鈴木誠は「自分のスイングをしたい」。野間も「学ぶことが多かった。頑張ります」と気持ちを新たにした。

 チャンスは目の前にある。「つかみ取ってほしい」。指揮官は短い言葉に、強い思いを込めた。

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