卒業式で調整不足?九里失点も不安なし

 「教育リーグ、広島1-10ソフトバンク」(16日、由宇)

 広島のドラフト2位、九里亜蓮投手(22)=亜大=が16日、教育リーグのソフトバンク戦(由宇)に先発した。プロ入り最長となる5回を投げ、6安打1四球で3失点。最速は142キロで、三回に3点を失ったが、それ以外は安定した投球を見せた。開幕カード3戦目の30日・中日戦(ナゴヤ)での先発が有力な新人右腕が、着々と調子を上げてきた。

 2軍相手に3失点も、不安は全くない。「5回をしっかり投げられてよかったですよ」。むしろ九里は頬を緩め、対外試合4試合目の登板を振り返った。

 持ち味は十分見せた。一回、いきなり先頭の亀沢に中前打を浴びたが、続く福田を低めの変化球で二ゴロ併殺。二回は3者連続内野ゴロに仕留めた。

 3失点した三回は先頭打者に与えた四球からだった。その後2死三塁とし、亀沢を遊撃・上本への緩いゴロに打ち取ったが、内野安打となり失点。さらに2連続安打で2点を失った。「制球面は完全という感じではない。精度を上げないといけない」と課題を挙げ、「不運な当たりで内野安打にしてしまった野手(上本)がナーバスになっていたのをカバーできなかった」と反省した。

 この日の登板には、万全の調整で臨めていなかった。前日は都内で行われた亜大の卒業式に出席。終了後、新幹線で広島に移動し、到着したのは夜だった。「それは別に関係ない」と言い訳はしなかったが、本調子でないのは明らかだった。

 ただ悪いなりの投球ができたのは収穫だ。内田2軍監督も「いい投球だったよ」と評価。開幕ローテ入りは確実で、最後の仕上げとなる23日のオープン戦・ソフトバンク戦(マツダ)を経て、開幕3戦目の30日・中日戦(ナゴヤドーム)に登板するのが有力。デビュー戦での勇姿が今から待ち遠しい。

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