エルド抹消へ…野村監督、我慢の限界

 「広島0-4阪神」(7日、マツダ)

 広島は完封負けで、今季2度目の同一カード3連敗を喫した。野村謙二郎監督(46)は試合後、4試合連続無安打に終わった4番・ブラッド・エルドレッド内野手(32)を2軍に降格させ、9日から新外国人のキラ・カアイフエ内野手(29)を昇格させることを決めた。4連敗で借金は今季最多の12に膨らんだが、悲願のCS進出に向けて、課題の攻撃陣を立て直す。

 新人の藤浪に6回3安打に封じられ、三塁すら踏めず、その後も敵リリーフ陣に抑えられ、今季6度目の完封負け。降雨のため30分の開始遅れ、七回表途中の62分の中断を挟んだ長時間試合は徒労感だけを残した。

 大入り観衆3万1686人の前で、この日も不調の4番に引きずられるような貧打だった。エルドレッドは0‐1の六回2死一、二塁で一邪飛に倒れるなど、2三振を含む4タコ。4試合連続無安打に終わり、打率・204まで下がった。

 ここぞの一発を期待し、起用し続けた野村監督も我慢の限界だった。試合後、エルドレッドに2軍降格を告げ、新外国人のキラを9日から昇格させることを決めた。

 キラはこの日、ウエスタン・オリックス戦(高槻市萩谷)で3番・一塁で先発。来日1号ソロを含む3安打2打点で猛アピール。来日後、右肩を痛め、1軍合流を見合わせて来たが、毎度の貧打が続く現状から“前倒し”での昇格となる。

 「カントリー(エルドレッド)の状態が悪すぎる。外国人も競争。いいものを出してくれれば。点を取らないといけない。(キラが)起爆剤になってもらえれば。右肩が痛いということだったけど、報告では大丈夫ということだった」。指揮官はハワイアン大砲が救世主となることを願った。

 ただし、3番・丸、5番・松山も左打者で「3、4、5番と左が並ぶので打順は考えないといけない」と話す。それでも、いきなり4番で起用する可能性も高い。

 「得点できない時期と思ってみているけど、ちょっと長い」。今季5度目の4連敗中、4試合で計5得点。深刻な得点力不足を打開するために、テコ入れはキラだけでない。投手・武内を抹消し、ウエスタンで打率・351の小窪も9日からあわせて昇格させる。

 今季2度目の同一カード3連戦3連敗で借金は最多の12。だが、3位・中日とは0・5ゲーム差だ。9日からの前半戦最後の9連戦ではDeNA、ヤクルト、中日と3位をかける戦い。2年連続Aクラスターンへ、今季最大の苦境をはね返すしかない。

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