ルーキー下水流が激走!G倒プレ開幕星

 「オープン戦、巨人0‐3広島」(23日、沖縄セルラー)

 野村鯉が王者巨人を“足攻”で撃破した。両軍無得点で迎えた九回、1点を先制し、なお無死満塁から福田の暴投で三塁走者に続き、二塁走者の下水流昂外野手(24)が好判断で生還。2点を追加し、オープン戦初戦の勝利を決めた。これで対外試合は侍JAPAN戦に続き、2連勝。開幕戦(3月29日、東京ドーム)の相手・巨人に、即戦力新人が驚異のスピードを見せつけた。

 一瞬の隙を見逃さなかった。九回、1点を先制し、なお無死満塁の好機。福田が松山に投じた3球目だった。本塁ベース付近にバウンドした投球が、バックネットまで転がる大暴投に。三塁走者の安部が本塁を踏むと、二塁走者の下水流も一気に本塁突入。クロスプレーとなったが、ベースカバーに入った福田のグラブから球がこぼれた。

 貴重な追加点を奪い、下水流は笑みを浮かべた。開幕戦の相手、王者巨人の息の根を止める好走塁。「三塁を回った時に『行ける』と思った。相手がいい投手だから何点取れるか分からないし、そうチャンスはないと思ったから」。持ち味のスピードに加え、新人とは思えない冷静な判断が生んだ得点だった。

 この走塁には首脳陣も賛辞を並べた。野村監督は「積極的でいい部分だね」と笑顔。三塁コーチャーの永田外野守備走塁コーチも「俺的にはストップだったけど、下水流が自分の判断で行った。(状況が)見えている時は選手の判断で行くことになっている。積極的にいくのはいいこと」と感心しきりだった。

 積極性は走塁だけではない。両軍無得点で迎えた九回無死一、二塁で、下水流は1ボールからの2球目を強振。三遊間への強烈な打球は巨人・古城の好捕に阻まれたが、焦って二塁へ投じた送球がそれ、二塁走者が生還し、先制点を奪った。

 得点につながった一打だが、並の選手ならば適時打にならなかったことで悔しがるはず。しかし下水流は「送りバントのサインが出なかったので、俺で勝負かと思った。点が入ったし、いい打席だった」と振り返った。

 オープン戦の“開幕戦”で巨人に快勝したが、公式戦の開幕戦でも再び対戦する。「開幕戦の相手だと、意識しないと言えばウソになる」と指揮官。昨季、巨人には8勝15敗1分けと大きく負け越したが、この日の“プレ開幕戦”で驚異のスピードが加わった新生・野村鯉を、宿敵の脳裏に植え付けたはずだ。

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