【トラ番敵情視察】先端技術導入&筒香育てた名伯楽 DeNA今年も手ごわい

 デイリースポーツ・トラ番が他球団のキャンプに潜入する『敵情視察』の第2弾はDeNA。昨年の対戦成績は17勝8敗と好相性を誇ったものの、被本塁打29本は30本の広島に次いで多く、迫力ある打線に何度も苦しめられた。今回は向亮祐記者(27)がキャンプ地の宜野湾で、突撃取材を敢行した。 

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 宜野湾の風に吹かれながら、高い放物線を描いた白球がスタンドに着弾していく。DeNAのキャンプ地・宜野湾だ。この日の午前中は雨だったため、室内で重盗練習を終えた後、野手陣はメイングラウンドでフリー打撃のメニューを消化した。

 打撃ケージは2カ所あり、三塁側では同時進行で左翼方向に向かってロングティー。バックネット前でティー打撃を行う選手たちも、1球1球丁寧にバットを振る。今や球界を代表するスラッガーとなった筒香が自身の正面にネットを置き、前から来る球を打ち返すティー打撃を行っていたのが印象的だった。

 ロングティーを行う若手選手、ケージに入るソト、ロペスの外国人を見ていると、阪神ではあまり目にしない光景が映った。大きく、豪快に。体格のいい選手はなおさらそう見えるが、全員が「強いスイング」を心掛け、しっかり最後まで振り切っている。プラスの意味での「のびのび」とした雰囲気は、DeNAならではのように感じた。

 何人かの選手は、バットのグリップエンドに機器を装着。「ブラストモーション」というもので、スイングスピードや軌道、手首の動きを測定してタブレットで確認、スイング修正ができる代物だ。「スイングの修正」を狙いとして昨秋キャンプから導入され、自身のイメージと実際のデータをすり合わせられるメリットがある。

 データ部門を扱う人物も存在し、打撃の確率向上、選手個々のスイングを上げていくことを目的としている。昨年のチーム本塁打数はリーグトップの181本。しかしながら総得点はリーグワーストの572ということからも大味にならず、持ち前の長打力を最大限に引き出しながら、打撃の「確率アップ」を目指すのが今季の課題なのだろう。

 その一方で、横浜、楽天、巨人で打撃コーチを歴任し、今季から再びDeNAの打撃部門を預かる田代打撃コーチが重要視するのが「バットの出方。そこさえ出れば」とシンプルな指導の根幹を教えてくれた。「変化球は心配になる必要はない」と、直球に振り負けないことが大前提とも付け加えた。

 最先端の技術を野球に導入する積極的な姿勢と、村田や筒香、巨人・岡本らを育て上げた名伯楽のイズムが融合すれば、強力打線の迫力と確実性は増し、虎にとって厄介な存在になりそうだ。

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