デーブ改革=超機動力!目標200盗塁

 最下位からの浮上を目指す楽天・大久保博元監督(48)。監督就任1年目に掲げた目標は、「200盗塁」という“超機動力野球”だ。大久保監督自身、現役時代の盗塁数はわずか「1」。「盗塁」というイメージからは遠くかけ離れた新任指揮官だが、沖縄・久米島の春季キャンプで、頭の中に思い描く戦い方とは-。

 デーブ野球における「イノベーション」の核となるのは、徹底した“足攻”だ。大久保監督が目標に掲げるのは200盗塁。過去に他球団で200盗塁を記録したチームはあったが、楽天は昨季リーグワーストタイの64盗塁。走れる新加入選手は新人の福田(中大)ぐらいで、実現すれば大改革といえる。

 新指揮官に迷いはない。「やるといったら、最後までぶれずにやる。牧田だって走れば速いし、(新外国人の)サンチェスだって『10(個)はいける』って言ってくれてる。頼もしいよね」と自信をうかがわせる。

 機動力を掲げることは、監督就任以前から考えていた。「よく思ったよ。『なんで走らせないんだろう』って。走れる走者を走らせないのは、一発が打てる打者に一発を狙うなと言ってるのと同じ。オレはキャッチャーだったから、そういう(走ってくる)チームが本当に嫌だったし」。ずっと温め続けてきた理念を、実行する時がきた。

 指揮官が目指すのは“超機動力”だ。たとえ大差で負けていても、走者を「ためる」より「進める」ことを最優先にする。「よく『走者をためなさい』っていうじゃん。でも後続があっさり倒れて、しょぼ~んってなることがよくあった。無死一塁で、じっと打者が打つのを待つよりも、走って無死三塁にした方が得点の確率が高まるし、勢いも出る」と、よどみない口調で言い切る。

 当初は1試合につき1盗塁という目安から「143盗塁」を目標にしていた。だがキャンプ序盤の紅白戦を経て上方修正した。「紅白戦3試合見たら、みんな走れてたのよ。たくさん作戦を出したけど、1回しか失敗してないの。たくさん作戦を出して。エンドランの空振りが1回あっただけで。失敗しないから、これは200いけるんじゃないかと思って」。選手の走塁への意識の高まりを目の当たりにし、超機動力野球の実現に確信を深めた。

 監督就任に当たって「選手のせいにするのはやめよう」と心に誓っている。たとえ盗塁に失敗しても決して選手を責めない。「成功しても失敗しても、スタートを切ったということは同じだから、そこを評価する。失敗してベンチに帰ってきても『よくスタートしたな』と拍手で出迎えるような雰囲気をつくっていきたい」と、失敗を恐れない土壌を築いていく。

 捕手出身らしく、オフの期間中から他球団の投手のクイックモーションの速さなど、データを洗いざらい調べ上げたという。「あとは自分で調べた数字と先乗りスコアラーの数字とを照らし合わせて、上達したのか、下手になったのか、あるいは隠しているのかを検証していく」とニヤリと笑った。

 開幕までに盗塁の精度を高めていく。「成功率10割は絶対にないわけで、そうすると300~400回は盗塁を企てないといけないかなと思ってる。難しいのは重々承知してる。でもそれをやるのが“イノベーション”だから」。言葉通り野球界の“新機軸”となるべく、デーブ流の超機動力野球を今季は披露する。

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