楽天・則本、マー君超えシーズン7完封
「楽天1‐0日本ハム」(19日、コボスタ)
去りゆく闘将に最高の恩返しだ。球威、切れ、制球。すべてが満点だった。最後の打者を打ち取ると、楽天・則本はバンザイ。田中(現ヤンキース)を超える球団新のシーズン7完封。『平成のドクター0』は、89年の斎藤雅(巨人)以来となる快記録を打ち立てた。
「7つめの完封を1‐0でできたことは自信になる。すごくうれしいです」。快投の2文字がピタリと当てはまる。被安打3。プロ入り最多となる13の三振を全員の打者から奪った。完全投球は六回先頭、谷口の二塁打で破れたが、付け入るスキを与えなかった。
前日に星野監督から辞任を伝えられた。少年時代、印象に残っているのは中日、阪神を率いる指揮官の姿だった。「あこがれの監督でした」。数奇な運命は師弟関係へとつながり、昨季は数々の喜びをともにした。「監督と一緒の試合は残り少ない。少しでも成長したところを見せたい」と力を込めた。
その通りの完封。「さすがに今日は褒めてもらいたいです」という則本に、星野監督は「素晴らしかった。これが本当のエースのピッチング」と言った後、「(エースは)まだまだ早いね」とニヤリ。チーム一丸のイヌワシ軍団は4連勝。「残り全部勝つつもりです」という大黒柱の表情は真剣そのものだった。