ソフトバンクは、フリーエージェント（ＦＡ）宣言をした選手との交渉が解禁された１５日、中日からＦＡとなった中田賢一投手（３１）との交渉を名古屋市内のホテルで行った。　

　交渉を終えた中田賢は、にこやかな表情で話し始めた。「来てほしいという意思をすごく感じました。すごくいい評価をしていただきました。『必要だ』という言葉をいただきました。本当に、自分にはもったいないぐらいです。（ソフトバンク入りを決断したとしても）決して後悔しない条件をいただきました」

　気持ちがグラッと動いたのは交渉の最後。小川一夫編成・育成部長から殺し文句が出た。北九州市生まれの北九州育ち。大学も北九州市立大。「福岡に帰ってこい、と言われました。一番心に残った言葉でした」。

　この日、阪神からも電話連絡があり、「これから、まだまだ悩むと思います。自分がどこのマウンドで投げたいのか。一番思いが強くなったところで投げたいです」。中日も候補も１つ。人生の岐路に立つ中田賢の眠れない日々は続く。