楽天25日にもM点灯!長谷部涙の力投

 「楽天7‐5ロッテ」(24日、K宮城)

 あふれる涙をこらえきれなかった。楽天・長谷部が八回1死で登板し2/3回を無失点。22日に亡くなった母・泰子さん(享年53)へささげる力投を見せた。ベンチに戻ると、ナインの温かい出迎えに人目もはばからず泣いた。

 23日が通夜で、この日は告別式。22日にチームを離れ、通夜のみ参列。この朝、仙台へ戻ってきた。「葬儀には出られなかったけど、じっくり語り合ってきたので。あとは兄弟に任せて、こっちも大事なので」。本当は2日間、抜けることも拒んだ。だが、星野監督から「行ってやれ」と諭され、岐阜へ向かった。

 精神的に万全であるはずがない。だがそれを乗り越える精神力を闘将は買った。だからこそ、勝ちパターンで起用した。「(長谷部自身)覚悟はしてたから。いい球来てたよ」。勝利の流れをつくったのは打線。初回に取られた4点差をひっくり返し、2位・ロッテとのゲーム差を4・5に広げた。

 得点が入るたび、お祭り騒ぎの三塁側ベンチ。指揮官は「おとなしい」とこれまで何度も苦言を呈してきたが、その雰囲気は変わってきている。「プレッシャーは楽しまないといけない。コイツらも『野球が楽しい』って言ってる」。優勝争いという緊張感の中で、一人一人の成長に目を細める闘将がいる。早ければ25日にも点灯するマジック。球団初優勝へのカウントダウンを、ついに視界に捉えた。

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