プロ注目の瀬戸内・山岡、1失点完投

 「高校野球・広島大会2回戦、瀬戸内5-1崇徳」(17日、コカ・コーラウエスト)

 春季広島大会王者の瀬戸内は、プロ注目の右腕・山岡泰輔投手(3年)が9回5安打1失点と好投。広島・野村謙二郎監督(46)の長男で主将の野村颯一郎内野手(3年)を1安打に封じるなど、崇徳打線を手玉にとった。この日、直球は142キロをマーク。悲願の甲子園出場へ向け、好発進した。

 エースが貫禄の投球だ。プロ注目の右腕・山岡が2000年夏以来、13年ぶりの甲子園出場を目指すチームを初戦突破に導いた。開幕戦で広島商との伝統校対決を制した崇徳を相手に躍動した。

 初回、四球からピンチを招くと1失点。「初戦の力みが出てしまった」と、苦笑いした。

 それでも尻上がりに調子を上げた。四回1死三塁ではスクイズを外し三塁走者を三本間でタッチアウト。八回無死一塁は併殺でしのぎ、ピンチの芽をつんだ。直球は142キロをマーク。横に鋭く曲がるスライダーも効果的に使い、9回5安打1失点でまとめた。

 崇徳のキーマン封じにも成功した。広島・野村監督の長男で主将の野村颯だ。「彼が打つと打線が勢いづく」。五回は内角へスライダーを連投し3球三振に仕留めるなど、3打数1安打2三振に抑えた。

 準優勝した春季中国大会後2週間、徹底的に走り込み、下半身を鍛え直した。約2時間の練習の中で50メートルの階段ダッシュや、グラウンド脇にある山の斜面を駆け上がるなど、ひたすら走り続けた。「きつかった。でもフォームが崩れていたのを直すことができた」。下半身主導のフォームを取り戻し直球も本来のキレを取り戻した。

 1年夏からベンチ入り。昨夏は準々決勝で新庄に敗れた。最後の夏を迎え「甲子園に出場する」と鼻息は荒い。今大会屈指の右腕が、その手で聖地への道を切り開く。

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