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日本酒200種!京でしっとり…料理も割烹級 洗練されたスタンディングバー

 にぎわう店内。どの客も笑顔に
 アリとキリギリスののれんが目印
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 いかにも古都京都らしく洗練された日本酒バーを見つけた。激戦区・木屋町にある「SAKE壱」がそれだ。関西随一とも言える200種類近い豊富な日本酒に加えて料理も絶品。深まりゆく秋の京都でしっとり飲む酒も悪くない。

  ◇  ◇

 四条木屋町から高瀬川を渡ってすぐのところにその店はある。アリとキリギリスが酒を酌み交わしているイラストののれんが目印。スタンディング形式で日本酒を楽しめる店として、今年の7月に開店10周年を迎えた。

 「表のイラスト?あれね。私がイソップ寓話が好きでして。アリとキリギリスの結末はいろんな話があるんですが、どちらのタイプの方も一緒に日本酒を飲みましょう、という願いを込めています」

 日本酒好きが高じて店を開くことになった麻田さん(65)はギョロッと目力があり、迫力十分。「常連さんにマスターが怖いから気をつけろ、と言われることもあって」と苦笑いした。

 店内はスタイリッシュでシンプル。いわゆる大衆店とは一線を画す。カウンターやテーブルにバッグを置くのは厳禁。悪酔い客にはときに心を鬼にして退出を願うこともある。

 もちろん、それもこれも和気あいあいと、それでいてしっとりと日本酒と料理を楽しんでもらいたいと思うがゆえだ。自身は毎年東京で開催される日本醸造協会の利き酒セミナーに参加し、スキルアップも欠かさない。

 冷蔵庫にはびっしりと日本酒200種類(5勺=90ミリリットル、600円から)が置かれている。幻の酒とも称される「十四代」が20種類もあるが、麻田さんの本意はそこではない。「メジャーなものより、あまり知られてなくて、高くなく、おいしいものをそろえています。関西でもここまで置いてある店はそうそうないのでは」

 料理も“割烹級”と好評だ。たとえば、ポテトサラダは低温熟成させた糖度の高い品種のジャガイモ「インカのめざめ」とハム、卵でつくった濃厚なもの。おでんの具には嵐山・嵯峨豆腐「森嘉」の飛龍頭(ひろうす)もあり、岡山牛窓産のこのわた、大分産のアジ。薬味に祇園・原了郭の「黒七味」など随所にこだわりを感じる。

 「ボリュームのあるものより、ちゃんとしたものを出すように心掛けています」と麻田さん。最後に「アリかキリギリスか、どちら派ですか?」と尋ねると「当然、キリギリスですよ、ガハハ」と豪快に笑った。少し意外な気もしたが、味のある笑顔を見ると納得。決して安くない店だが、京都に行ったときはまた寄ってみたくなった。(デイリースポーツ特約記者・山本 智行)

 ◆SAKE壱 京都市中京区紙屋町373の1 阪急「河原町駅」から徒歩2分、京阪「祇園四条駅」から徒歩4分。営業時間は午後5時から深夜0時まで。日曜営業。定休日は基本水曜日。TEL075・223・0311

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