静かな木造の京町家に大人の隠れ家カフェ

 常連の志田直樹さん(左)ら
 おばんざい。(左から)きくらげと絹揚げのたいたん、水菜のおひたし、鶏じゃが
 女将の北村文里さん(右)と夫の公亮さん
3枚

 京都市中心部の京町家が残る古い通り。おばんざいとシフォンケーキがおいしいカフェ「檸檬」(れもん)がたたずむ。女将の北村文里(あやり)さんが3年前、大阪から移り住んでオープンした。お酒もケーキも楽しめる、大人の隠れ家カフェです。

 ◇   ◇

 間口が小さく、奥行きが長い京町家。木造の外観は温かみがあり、町家通りが人気なのもうなずける。北村文里さんも、そんな町家にひかれて大阪在住の頃からよく散歩に来ていた。

 子育てが一段落し、「家族のためにたくさん料理してきたのに主人と2人だとケーキを焼いても1ホール食べきれない(笑)。それならお店を始めてたくさんの人に食べてもらったらいいのでは」と思いついた。料理教室に20年、ケーキ教室にも10年通って腕を磨いた。

 物件をいくつか見た中で元理髪店だったというところに決めた。町家の雰囲気を大切にしながらカフェ用に改装。表の窓と下壁のタイルはそのまま残し、抜群の趣に。オープンは2014年2月22日。「檸檬」は大学時代、最寄り駅にあったクラシックな喫茶店にあやかって同じ名前をつけた。

 住まいも2階に構え、夫の公亮(ともあき)さん(59)は片道1時間40分かけて大阪・住之江にあるスポーツメーカーに通勤する。

 文里さんは「猪熊通は平安時代からある古い通りで二条城に突き当たって、また伸びています。染め物の染料や伏見人形の職人さんたちがおられる通りで、時代祭りの流鏑馬(やぶさめ)隊も出しているんですよ。住んでみて伝統と暮らしが息づいているところだとわかりました」。

 ご近所さんや、町家めぐりをする観光客らがふらりと立ち寄り、思い思いの時間を過ごしていく。「海外からの旅行者は楽しいですよ。お寺に行きたいというので教えてあげようと思ったら、持っていたのが日本地図でした(笑)。さすがに載ってません」

 文里さんの出身は愛媛県松山市。同市立湯築小学校時代の同級生、志田直樹さんは常連の1人。「あーちゃん(文里さん)は、やんちゃでクラスでもリーダー的存在。よくいじめられました」と笑う。「彼女の人柄と同じ、アットホームないいお店です。料理もおいしいし、ぜひ扉を開けて気軽に入ってきて」と“一見(いちげん)さん”OKを訴えた。

 ◆檸檬 京都市中京区三条猪熊町626の2(猪熊通六角上がる、すぐ西)。阪急大宮駅から約5分。TEL075・204・4481。営業11時半~16時、18時~20時半。火曜、月曜夜定休。

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