誰も40発は打てない?
【9月17日】
佐藤輝明の名前がスタメンに無ければやはりさみしい。ベンチ外の理由、その類いの取材は虎番に任せるとして僕の関心は前日(17日)のデイリースポーツ1面に向く。
メイン写真は「55発男」タフィ・ローズとの2ショットである。これはたまらない。虎番が両者のコミュニケーションをしっかり取材しているわけだが、焦点はやはり「輝40発」への可能性。タフィは「あと何試合?いけるだろ!」と太鼓判を押していたわけだけど、さすがニッポンの野球をよく知る男。甲子園名物、浜風の攻略法にも言及し、日本語で「サチュウカン」と語ったという。「(甲子園は)左中間を狙えば風に乗せて打てるだろう」と。
この話で思い出すのは、巨人時代のタフィが当時阪神の4番打者に語りかけたホンネである。05年に40本塁打した金本知憲へ敬意を込めて…。
「あなたはどうして甲子園でこんなに打てるのか。ここの球場をホームに戦ったら、左打者は誰も40本なんて打てない。僕?ノーチャンスだよ。あなたがナンバーワンさ」
いやっちゅうほど浜風に阻まれたのだろう。オーバーリアクションで「ムリ!ムリ!」。それくらい「甲子園で40発」の過酷さを知る。
しかし、50発への夢も「(輝なら)不可能ではない」と語ったという。あながちリップサービスとはいえない。
金本は今シーズンの輝について「ちょっとコツをつかんだのかなという印象がある」と称え、「40本といわず、45本くらいはいく能力は持っている」と話していたのだから。
大台まであと2発。一気に広島で…と思っていたので輝不在のスタメンに肩すかし…というか、どうせなら節目は甲子園の右翼へぶち込めばカッコいいか…。だったら広島でリーチをかけよう。2戦目の出場を楽しみに…
そんな妄想も幸せなことだけど、ちょっと待てよ。マツダスタジアムって実は甲子園より広いんだっけ。
ちなみに、この球場で本塁打が出やすいのは左翼?右翼?
広島ヘッドコーチ藤井彰人に聞けば「レフトですね。ここは左右サイズが違うので。あっち(左翼)へ打球が上がったら(自軍なら)よっしゃいった!ってなりますし、(敵軍なら)いかれたって思いますし…」という。
マツダ=センター122メートル、右翼100メートル、左翼101メートル
甲子園=センター118メートル、両翼95メートル
あらためて調べてみれば、両球場のサイズはこんな感じ。マツダの特徴は何といっても「左右非対称」であること。ホームから左翼までの距離は右翼のまでのそれより1メートル遠い。しかし、毎年ホームランの数が概ね左翼スタンドのほうが多いのは、右翼はセンターからポールにかけて扇状に膨らみ、左翼はポール側から左翼の定位置あたりにかけて直線…左中間に比べて右中間が深くなっているためである。つまり輝は広島でも狙うべきはサチュウカン…。いや、浜風がなければ輝にとってサイズは関係ないか。=敬称略=
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