好物はオムライス
【5月7日】
きょう先発する伊藤将司は横浜高出身だから、凱旋登板になる。この夜のゲームを眺めながら新人左腕について予習していると、今月号の「月刊タイガース」に彼の自己紹介が載っていた。
好物はオムライスだそうだ。何だか、かわいらしい。
伊藤からちょっと脱線するが、実は僕もオムライスが大好物だ。オッサンなのに…とよく笑われるけれど、子どもの頃からずっと目がない。
日本各地で食したなかで一番を挙げろといわれれば、ずばり「タイガーオムライス」。かつて阪神のチーム宿舎だった赤坂プリンスホテルのコーヒーショップの名物で、星野仙一の好物として裏メニューが表メニューになった逸話は虎党にも有名である。
あの頃、チームが東京から横浜へ移動しても僕は都内に泊まり、ランチで「タイガーオムライス」を食してからハマスタへ…なんて日もあった。特製のケチャップにエリンギ…それに、宮城県産の卵三個を使ったフワフワ感もたまらなかった。
星野阪神の好物といえば、03年の横浜ベイスターズ戦である。
あの年の虎は、山下大輔率いるベイスターズにめっぽう強く、22勝6敗と貯金しまくったことから「横浜銀行」なんて呼ぶ虎党も大勢…。
ペナントレースを制するためには「好物=お得意様」をつくること。よくそう言われる。03年以降も阪神はDeNAに概ね分が良く現在7年連続勝ち越し中だけど、今年はどうだろうか。
ハマスタで通算7試合3勝1S防御率0・84…かつて横浜が大好物だったチェンが投げるのだから優勢…そう踏んでいた夜だけど、落とし穴が待っていた。
阪神時代にチェンを好物にした2番の大和(対戦打率・385)を三回まで2打席無安打に封じながら、四回先頭、3番のT・オースティンに四球を与えたところから急にガタッときた。それでも、宮城県産のドラ1・馬場皐輔がチェンのあと踏ん張ったことで勝機を残したが、打ち合いになれば、迫力はやはり互角だろうか。
昨シーズン、横浜スタジアムを好物にした阪神のトップ3は①J・サンズ(球場別打率・385)②大山悠輔(同・366)③J・ボーア(同・355)。
昨シーズン、DeNAベイスターズ戦を好物にした阪神のトップ3は①大山悠輔(チーム別対戦打率・398、5本塁打、22打点)②近本光司(同・311、2本塁打、7打点)③糸井嘉男(同・298、1本塁打、10打点)
ハマスタも、ベイスターズも好物な大山がいない中で戦うこの3連戦である。
ベイ打線にブルペン陣が耐えられず…そんな夜もある。あらためて、きょう先発の伊藤将司を予習しておくと…好物はプロ初完投の相手、対戦防御率1・00のDeNAか。マッチアップはまだ1試合だけど、虎が無敗のデーゲームで凱旋登板とくれば、大好物にしてほしいと僕は願う。=敬称略=