大山と岡本が伝統を!
【2月16日】
これまでならキャンプの休日はどこかのリゾートでランチ…なんて沖縄ならではの過ごし方をしたものだけど、今年は外食NG。滞在先でジッとしているのも退屈だから、他球団の取材にでも…。
第3クール終了後、そんな思惑で各球団の動きを確かめてみると、15日は巨人の移動日。原辰徳、そして宮崎で調整していた若手中心の1軍本隊が昼前の便で沖縄入りするという。連覇中の宿敵を見るため、那覇空港へ向かった。
いる、いる。大勢のG番記者が…。長身2メートルのルーキー秋広優人が一際目立つなか、僕のお目当ても到着ゲートに登場。風格を漂わせながら居合わせたファンの歓声を浴び、バスに乗り込んだ。
巨人軍4番、岡本和真である。
僕と同郷、奈良が生んだスターはご存じ生粋の阪神ファン。母校智弁学園はもちろん、彼出身の中学硬式チーム橿原磯城リトルシニアもよく知っている。だから、できれば我らが猛虎へ入…いや、それはもういい。今や難敵以外の何物でもない昨季2冠王を今季も意識せざるを得ない一年になる。
結局、巨人の到着取材は、相当なキープディスタンスで終了。近いうちにまた、岡本の仕上がり具合を拝見しに行こうと思う。
なぜ、岡本が当方のお目当てかって?そりゃ、決まっている。今年も阪神と巨人の4番対決に注目しているからである。
この日、僕は宜野座で大山悠輔の動きを追った。前クールに背中を痛め別メニューだけど、三塁でノックを受ける動きを見れば、重症は免れたとみる。というか、一番の遠回りは周囲が本人を焦らせること。4番は任せた。慎重にいこうぜ。僕の勝手な願いである。
昨季は最後まで本塁打、打点のタイトルを争ったTとGの主砲だけど、「4番の指標」となるこの2部門は岡本に軍配があがった。
ここで本紙の記録部に両軍4番の成績を2部門に特化して遡(さかのぼ)って貰うと、阪神が前回優勝した05年から昨年まで、阪神の4番が巨人の4番に勝ったのは5度。つまり残りの11シーズンは4番対決でGに屈しているのだ。
ちなみに、阪神が制したのは、次の5シーズン。その年最も多く4番に座った打者の比較である。
17年(阪神2位、巨人4位)
福留=18本、79打点
阿部=15本、76打点
15年(巨人2位、阪神3位)
ゴメス=17本、72打点
阿部=15本、47打点
14年(巨人優勝、阪神2位)
ゴメス=26本、109打点
阿部=19本、57打点
07年(巨人優勝、阪神3位)
金本=31本、95打点
イ・スンヨプ=30本、74打点
05年(阪神優勝、巨人5位)
金本=40本、125打点
小久保=34本、87打点
阪神の4番が巨人の4番を制した年は必ずAクラス…いや、この際そんなデータは要らないか。大山と岡本はきっとこの先何年も鎬(しのぎ)を削る。両者が両軍の伝統を作ってゆく。そう考えるだけでワクワクする。=敬称略=