Gと他球団のホンネ

 【12月17日】

 DH制導入の議論に興味が尽きない。きのうそう書いた。Twitterのフォロワーさんに賛否を問うたところ、コメント欄、DMに多くのご意見をいただき、あらためて関心の高さを知る。

 巨人が山口寿一オーナー名でDH制の来季暫定導入をセ・リーグ理事会へ正式文書で提案したのは14日。その後さまざまなメディアが連日〈続報〉を打っているが、どちらかといえば「世論もDH制を推している」そんな論調が多いように感じる。巨人が建設的な提案をし、他5球団は旧態依然として議論を前へすすめようとしない…ってな感じだろうか。

 他のセ球団は全面的にDH制に反対なのか。ここからは僕の取材だけど、そうではない。じゃ巨人案に「反発が強かった」「慎重な態度を崩さなかった」と報じられるのはなぜか。理解が鈍い、視野が狭い、わけでもないと思う。

 僕の知る複数球団の関係者に聞けば、「巨人がもう少しうまくやれば…」という声もあった。

 先般の日本シリーズは開幕直前に全7試合のDH制の採用が決まったが、巨人以外のセ球団は急遽導入に「反対」だった。シリーズ2日前(11月19日)の臨時実行委員会で議論され、今シリーズに限り当該球団が導入したい意向があれば主催者であるコミッショナーの裁定に従う-としたが、東の球団を取材すれば、セ他球団は前もって釘をさしていたという話も聞こえる。日本シリーズの結果云々にかかわらず、DH制を理由とした発言をしないこと…等々。

 巨人からセ5球団へ「DH制の来季暫定導入」の提案書がメールで送付されたのは、前述のセ・リーグ理事会が行われた14日朝のこと。新型コロナウイルス対策会議が始まるタイミングだった。その後、不採用になった同文書を同日夕、巨人がマスコミ各社へメール配信したことで「事前の申し入れをなぜ反故にするのか」。そんな反発が高まった…とも耳にした。

 具体的な反論の中には、巨人が提唱する「コロナ禍における投手の負担軽減」に対し、「それをコロナ禍のDH制導入の根拠にするのはどうか。そのために登録選手数を増やしている」との指摘も。

 「安直な追従には反対。パがDH制になったのは、もう45年も昔の話。それがこの格差拡大の原因なら何十年も早くこうなっていたはず。練習方法や育成システムの改善、そのための施設面の充実、現状維持バイアスに囚われたリーグ体質の変革など、より本質的な課題が山積しているはず」

 これは当方のTwitterコメント欄に寄せられたフォロワーTさんのご指摘。そのほか「来季導入というならば、各チーム補強が落ち着いてから提案、導入のプロセスはおかしい」「野手の代打出場が減少して出場選手に偏りが出る」「子ども達は、打って、守って、投げて…それが楽しくて野球を始めるんじゃないの」-。

 巨人案には「その通り!」と賛同も多い。一方「読売さんのホンネを知りたい」なんてコメントも…。この続きは来週。=敬称略=

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