週末の決議を楽しみに

 【11月16日】

 毎年この時期は宮崎で3日間ほど滞在する。12球団が若手主体で戦う「みやざきフェニックス・リーグ」を見て回るのが楽しみであり、知った顔のもとへ出向いて話すと当欄の肥やしにもなる。

 今年は宮崎行きを迷っている。コロナ禍だからじっくりベンチ前で話を聞くことはもちろん、「夜は一緒に一杯」なんてのはもってのほか。スタンドから試合を眺め手短かに取材…これではオッサン記者の出る幕なしか。なんて考えれば、足は遠のいてしまう。

 昨秋は阪神、広島、西武、ロッテ、そして巨人にもお邪魔して顔なじみにあれこれ話を聞いた。

 短時間でいろんな選手を見させてもらうのだけど、近年一番の収穫はカープ堂林翔太か。秋の宮崎といえば、年々悲壮感を増す鯉のプリンスだったけれど、虎でも同じような境遇の選手は彼の覚醒に勇気づけられたはず。早起きのオッサンが日南で見掛けたのは朝7時に自転車でホテルから球場へ向かう堂林の背中。11年目にして打率、本塁打、打点すべてキャリアハイ…これが必然に思えるのも宮崎へ出向き、土俵際の彼とじっくり話せたから。今秋は、来季9年目を迎える北條史也を宮崎でじっくり…そんな思いはあるのだけどどうしようか、まだ悩んでいる。

 今年は3月から出張は「0」。こんなこと初めてだけど、探せば取材はなんぼでもあることに気付く。おかげで大阪を中心に関西をよう歩いた20年である。コロナ禍の収穫は、例年なら見落としていた阪神の病巣に気付かされたことかも…。と、ここで一つ。当欄で何度か書いた「阪神タイガースの足を引っ張る球団OB」の記述について、社内や球団、各所から誰のこと?それ、俺か?(笑)など問い合わせが何件かあったので、御返事を。名前は伏せるけれど、その人は選手OBではない。一部メディアと結託して内部情報を垂れ流す元球団幹部であることを記しておく。僕の周囲の皆さんはその事実をよく知っているし、みっともない行為であることに気付いていただきたいので、これからも何度でも書かせてもらう。

 さて、20年シーズンが終了して明日で1週間である。新チームは来季へ動き出し、熱心なファンはその動向を注視している。先日も書いたけれど、僕の関心は阪神の人事。まず何よりも、球団トップが代わることに興味がある。

 今月20日、金曜日に大阪野田の阪神電鉄本社で取締役会が行われタイガースの新球団社長に現オーナー藤原崇起が着任することが決議され、同日発表される。

 近く西宮の阪神球団事務所では模様替えが行われ、藤原が座る新社長室が整うわけだが、オーナー兼務の藤原が毎日この部屋へ出勤するわけではもちろんない。つまり、非常勤の球団社長であり、その実務は球団本部長であり同副社長の谷本修が担うと考えられる。それでも先日、藤原は「巨人に負けん」「(補強費は)心配には及びません」と語っていた。次期社長が並々ならぬ思いで舵取りをするのか。注目したい。=敬称略=

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