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新球団社長が決まる

 【11月5日】

 岡崎太一から電話をもらった。

「風さん、連絡が遅くなりすみません。長い間、お世話になりました」。4日、球団から来季の構想外を伝えられた04年の自由枠捕手は彼らしく最後まで律儀だった。

 太一が阪神に入団して16年も経つのか。彼が鳴尾浜の独身寮に入った日をまだ鮮明に覚えているしソース顔が「宮里藍に似てる」なんて紙面をつくった日もあった。懐かしいけれど、つい最近のことのようでもある。 

 同じく4日、構想外を通達された伊藤隼太は11年度のドラ1である。彼はまだ31歳。働き盛りで厳しい現実を突きつけられた格好だけど、そう考えれば、今の若虎だってあっという間にプロ野球人生を駆け抜けるのか。

 先日、ヤクルト風張蓮が構想外の通達を受け、同球団の14年度ドラフトの指名選手がわずか6年で全員戦力外通告を受けることになった。見切りが早くなった。そういわれる昨今の球界だけど、阪神も例外じゃない。とくにチームの結果が芳しくなければ、血の入れ替えもシビアになるだろうし、岡崎のように16年間ユニホームを着られる選手はごく稀。コロナ禍で球団経営が厳しい世代はなおさら生存競争が熾烈になるのだ。

 タイトル争いはおもしろいけれど、勝ち負けとなれば、この夜のように序盤から試合が壊れても、さほど心が揺れない。CSがなくとも勝つに越したことはないし、それを望むファンも沢山いる。ベンチも球団も2位を死守したい理由が諸々あるだろうけれど、個人的には気持ちは来季へ向かう。大山悠輔の悲願を気にしながら。

 今、読者の関心事は何か。アンケートでもしない限り、想像するしかないが、大半はやはり「来季へ…」ではなかろうか。

 じゃ、21年度の矢野阪神に大いに期待していいのか。期待しましょう。そう書くのは簡単だけど、僕はひとつ気になることがある。監督は代わらないけれど、ご存じのように阪神の球団トップは代わる。一連のコロナ余波の責任を取る形で〈更迭〉された揚塩健治の後任は、オーナー藤原崇起が担うことになる。兼任社長に決まったのか。取材の限り、決まった。

 タイガースが全日程を終えた再来週、阪神電鉄本社で取締役会が行われ、正式に内示される。

 12月1日をもって藤原が揚塩からバトンを受け継ぐわけだが、阪神球団創設85年の歴史でオーナーの球団社長兼務は初めて。

 ひとつ歳上のカープ松田元(まつだ・はじめ)オーナー兼社長をお手本にするのか。もちろん注目も期待もしたいのだけど、阪神がその職を兼務する意義や狙いがまだ見えてこない。

 来月の就任日、藤原は野田の電鉄本社から球団事務所へ足を運ぶだろう。そして、球団職員へ向け何らかの所信表明をきっと行う。その場でどう発信するのか。純粋に、僕は楽しみにしている。

 血の入れ替えが進む阪神が目指すもの…。藤原社長の「第一声」を楽しみにしながら、残り3試合を追うことにする。=敬称略=

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