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現場丸投げなのか?

 【10月16日】

 歳内宏明がヤクルトでバリバリ活躍すれば、阪神の指導法が叩かれる。榎田大樹が西武で11勝を挙げた18年はそうだった。阪神では育てられない。必ずそんな論調があふれ出す。虎あるある-だ。

 ファンの方が言うのは自由だけれど、我々がもしそれを強調するならば、本当にそうか、取材が必要であることは言うまでもない。

 藤浪晋太郎が結果を出せなければ、藤浪晋太郎の責任。当欄で何度かそう書いてきた。仮に晋太郎が他球団へ移籍し大活躍したとしても、阪神の指導に決定的な過失があるとは思わない。そもそも、晋太郎本人が「え?そんなん、自分が悪いんですよ」とサラッと言うことは目に見えるもので。

 球団や指導者は筋道をつけるけれど、そこから先は自己責任。だってプロだもん。かつて金本知憲は言っていた。「阪神は比較的、投手を育てるのはうまいと思う」と。「阪神がよう育てん」と語る人は、では、阪神で結果を残す投手、一流に育った投手について、どう説明するのか。環境の変化で覚醒するならば、その選手が移籍球団の色、空気、仲間と相性が合った、成長のタイミングが重なった。そんな認識である…僕は。歳内がそうなればもちろん嬉しい。

 さて、きのうの続きを。

 一連のコロナ余波から飛び火する今般のタイガースの窮地において、球団に対する〈ネガティブ〉な報道が止まらない。次第に、それこそ阪神の育成方針、或いは体質そのものにも糾弾の矛先が向けられるかも…。またその類のバッシングに本来応援団であるはずの球団OBが加担するから、この球団の〈環境〉はタチが悪い。

 今週号の「週刊文春」で阪神の元球団社長が、現阪神球団本部長のコロナ対策を「現場丸投げ」と切り捨て、それが「阪神の体質」だと批判していた。古巣を思う親心?残念ながらそのようには…。

 この方の言い分は、少なくとも当欄の認識と違う。罹患者を出した3月からの球団の苦心を信頼できる筋から耳にしてきた。お前らすべて禁止だ!行動履歴をすべて監視する!と鉄のルールで縛るべきだったか。自問自答の毎日だったと聞く。専門家と相談しながら〈平時と異なる〉ぎゅうぎゅうの日程、大型連戦に於ける選手のメンタル面、二次、三次被害を顧慮し、ぎりぎりの線で導いた答えが結果的に「凶」と出た。こうなれば、弁解を許してもらえないのが阪神の宿命…。

 が、しかし、事実との差異が拡散されるのは違和感がある。虎番キャップ時分から球団に遠慮の無かった(よく抗議を受けました)当方だけど、今回は、少なくとも「現場丸投げ」とは書けない。

 違和感といえば、一部で報じられた西勇輝の件である。

 選手間の十分な距離を保てないためロッカールームでの摂食は禁じられている中、西は感染防止策を無視し続けた-これは取材の限り、事実と違う。NPBのガイドラインと照らせば、ロッカーに分散しての摂食はむしろ奨励されていた。続きは次回。=敬称略=

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