闇は深いのか…

 【10月13日】

 「風さん、ご報告が…」。東大文学部出身の後輩記者から連絡をもらった。聞けば、結婚するという。取材を離れても、よく絡んだ(遊んだ)仲。ツラもハートも男前な体育会系で品が溢れる男だ。

 めいっぱいの慶びを込めて「おめでとう」を伝えると、彼は「相手は…」。いや、これ以上はプライベートなので控えておこう。

 慶びといえば、この夜の大山悠輔である。ナゴヤでかっ飛ばしたパーフェクトな26号でキング争いのトップに躍り出たわけだけど、嬉しかったのは、出迎えた矢野燿大らベンチの破顔。もちろん、藤浪晋太郎の161キロもそうだけど最近阪神に憂いの案件が多く辟易していたので、彼らの躍動でオッサン記者もスカッとさせてもらった。逆転負けはしたけれど…。

 正直ここで触れたくもないけれど、読者も気になっていることだろうから、憂いの件を少しだけ。

 J・ボーアへの七回のストライク判定?確かにあれも触れたくないけれど、きょうはそっちじゃなく、矢野が主催した会の件を…。 何でも、指揮官が球団に申し出て了承されたバッテリー(捕手)ミーティングを兼ねた食事会が問題視されているそうで、この日の試合前に会見を開いたそうだ。

 これ、探せば切り口は色々あるんだろうけど、当欄が案じる阪神の〈病巣〉は、例のメディアへリークした者がチーム内にいる-ということ。この行為、そのものの是非はともかくである。

 リークした者がどんな気持ち、どんな意図で漏告したのか。悪意なのか正義感なのか。その心が気掛かりだし、そうすることで生じるチーム内の不協和音を想像できないはずはないわけで。いずれにしても、なんだかなぁ…とオッサン記者は気をもむわけだ。

 一部でこの報道が出た12日、当方は大阪市内にいた。旧知の〈阪急関係者〉に話を聞くために動いてみたわけだけど、取材の限りを書けば、同日夕方、阪神電鉄社長の秦雅夫は野田の阪神電鉄本社から阪急阪神ホールディングス(HD)本社へ出向いていた。用件は同HD会長・角和夫に会食案件の事情を説明するためである。

 矢野の申し出を球団本部が許可したものであり、内規違反ではない-その旨を秦は角に説明し理解を得た。その後、秦は野田へ戻りタイガースオーナー藤原崇起に報告…整理すればそんな流れだ。

 この度のコロナ余波、その責任を問われる格好で阪神球団社長の揚塩健治が解任され、シーズン佳境のチーム、現場、そして営業も一気にどんよりムードが漂ってきた。表向きの顔色はともかく。

 そんな一連の騒動がチーム全体に及ぼす〈悪〉影響は計り知れない。先日、当欄でこう書いたところ、阪神球団、本社、そして球界各所から連絡をいただいた。慶びが欲しいときに、憂いばかり…。

 ロッテも大変だけど、阪神はマスコミが大変…数々反応があったけれど、今回の食事会の件は、皆さん異口同音にコロナの責任とは別の意味で「闇が深い」という。続きは次回。=敬称略=

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