3カ月前の自己検証
【9月23日】
また巨人が勝った。またマジックが減った。筆者は参った。何が参ったって、このままいけば開幕前のV予想が外れそうだから。
おい、阪神のVを諦めたのか!デイリーが諦めてどうすんだ!
いま、そう叫ぶ読者はどれくらいいらっしゃるだろうか?
もし、沢山いらっしゃるとしたら、深く頭を下げないと…。
ごめんなさい。
「取材ノート」の読者で、覚えている方はいらっしゃるか。
そうなんです。僕のV予想は…阪神ではなく、DeNAでした。
開幕(6月19日)前最後の当欄でこんなふうに書きました。
【今年は分からん。誰もがそう評する。DもSも外せない。そんな混戦で僕が一歩リードと感じるのはDeNAベイスターズ】
阪神ファンに、読者に、怒られるぞ。報知新聞のコラムで巨人以外を優勝と書く記者おるか?
知人、先輩、多くの方からそんなふうにお叱りを受けたけれど、秋、春のキャンプ地を巡った取材にウソはつけない。だから書かせてもらった。20年シーズンの優勝はベイスターズじゃないか、と。
書かなくてもいいのに、理由も添えた。
TとDBが優勝を争うけれど、決め手は助っ人比べ。今年はDeNAの外国人が阪神のそれに勝ると予想する-。
J・ボーアが日本野球に慣れてきた。J・サンズが本塁打を量産している。片や、T・オースティンは故障離脱。J・ロペスは不振で2軍暮らし…。そんな情勢が続くと、オッサン記者は日に日に小さくなっていた。
昨オフ阪神が本気でリストアップしたオースティンについては、DeNAの宜野湾キャンプを2日連続取材し「こいつはホンモノ」と、度々ここで書いた。
開幕前、阪神のあるフロントにわざわざその旨をぶっこむと、こんなふうに返ってきた。
「オースティンですか??まっすぐに強い、とのデータはありますが、外の変化球には…。大丈夫ですよ。打たせませんから」
この夜、そのオースティンが効いていたと思う。七回無死一、二塁でJ・エドワーズが浴びたN・ソトの3ランである。
この夜3三振のオースティンだけど、なんせこの新助っ人は虎にめっぽう強い。彼は対阪神戦で31打数11安打、3本塁打、10打点、打率・355。ソトを歩かせれば満塁で天敵と対峙する。前夜も高橋遥人が3ランを浴びただけに、そんな選択は避けるべし。ちなみにソトの阪神戦打率は・276。ソトを迎えた局面で、阪神バッテリーに少なからず〈天秤〉の心理が働いたはずである。
最後はボーアの空振り三振でゲームセット。巨人との差は11・5に広がった。ボーアは2三振1併殺。サンズは3三振1併殺。この夜だけ切り取れば、当方の予想は外れではないけれど、シーズンのフィニッシュでどうか。
というか、僕のV予想、巨人を度外視した時点で精度が相当低い…という話もある。=敬称略=