106歳が営業回り?

 【3月1日】

 106歳のサラリーマンが営業回りをしているようなもの-。ちょっと何言ってるかわかんない…ですよね。実はこれ、三浦知良の言葉。53歳になったばかりのカズが日経新聞で綴っているのだ。

 2月28日の日経、スポーツ面のコラム「サッカー人として」で、カズは「人間って自分を実年齢より若く感じているものだと思う」と書き出している。自問してみると、その通り。各紙の虎番記者で活動するフットサルチームでも、未だ20代のごとく体が動くと勘違いしている当方は、昨年、左足に未経験の痛みを感じ2カ月ほど苦しんだ。痛い目にあうまで、なかなかトシを認めたくないものだ。

 コラムでカズは語る。サッカー選手の場合、倍方式を当てはめると年齢をイメージしやすい。企業を支える40~50代は、サッカー界でいえば25歳くらいの主軸にあたる。(サッカーで)40歳ともなると(一般では)「80歳」。これでいくと、53歳の僕は106歳-。

 106歳が営業回り。まさにあり得ないことをカズはやっているわけだけど、ときに「50代の僕が20代の僕とケンカを始める」そうだ。僕の場合、全て欲しがってギラつくものだから年齢が分かりづらいのかも-こう締めくくるカズ論を読みながら、当方が取材する「84歳」と「76歳」を思うのだ。

 42歳の福留孝介と38歳の糸井嘉男である。カズは「サッカー選手の場合」と前置きしたけれど、平均選手寿命がサッカーより長い野球選手の場合はどうか。確かなことを書けば、福留も糸井も依然として「ギラついて」いる。彼らはいちいち言葉にはしないけれど、1シーズンを通した成績でいえば「まだまだ若い選手に負ける気がしない」と思っているはずだ。

 高山俊やジェリー・サンズが結果を出せば、矢野燿大は「嬉しい悩み」を抱える。デイリースポーツ評論家の岡田彰布が昨日の本紙で高山&サンズを開幕オーダーに推していたように、カズのいう、バリバリ主軸にあたる26歳の16年新人王と、32歳の新助っ人がオープン戦で打ちまくれば、外野レースの構図は混沌としてくる。

 ファンが指揮官の決断を楽しみに待つ2週間になるわけだけど、〈選考基準〉はシンプルでいいと当方は思っている。残り9試合を含め、「結果」を残した者が開幕スタメン!これでいいじゃない。

 思えば昨年はルーキー木浪聖也がオープン(OP)戦で両リーグ最多22安打を放ち、打率は・373。ノー文句で開幕スタメンを勝ち取った。経験値を差し引いてもこれぞわかりやすい世代交代だとキビしい虎党を納得させたのだ。

 東京五輪の柔道日本代表は、66キロ級の残り1枠かけて阿部一二三と丸山城志郎が争うが、代表監督の井上康生は「力は五分。勝った方が代表」と、来月の全日本選抜体重別での決着を口にした。ときに選考基準があいまいで物議をかもす競技もあるけれど、これほど分かりやすいレースはない。

 福留、糸井が壁となって立ちはだかるか。OP戦打率・438の高山は壁を破れるか。=敬称略=

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