西&西、石原&石原…

 【10月17日】

 幸福の黄色い…いや、赤いパンツでドラフト会議に臨んだのは矢野燿大だけではない。球団社長の揚塩健治も実は赤いパンツを履いて円卓に座っていた。奥川恭伸を外したのだから、幸福じゃない?

 社長も赤パン。もちろん、これも取材である。クジの結果はご存じの通り。これは運、そして本人との縁。「赤パン」…奏功したんじゃないの?僕は矢野は持っている男だと思う。だって、一年前もサイコーのクジ運だったわけで。藤原恭大も、辰己涼介も外した?でも、おかげで他球団が羨む「ドラ1」を獲得できて…あまり書くと、多方面から嫉妬されるか。

 今年もグランドプリンスホテル新高輪で虎のドラフトを追った。

コトダマといえば大袈裟だけど、開演前のちょっとしたやり取りがその通りになってしまった。

 当方は毎年そうするのだが、今回もドラフト開始30分前に各球団の控室前で陣営の会場入りを待っていた。そこで12球団中5番目に控室から会場へ向かった千葉ロッテの名物広報・梶原紀章からこんなことを聞かれた。

 梶原「風さん、阪神は外れ1位誰いくんですか?」

 当方「俺は西だと思ってるよ」

 梶原「そうですか。西は結構、重複するのかな…。西が阪神へ入ったらニシ&ニシになりますね」

 当方「そんなこと言ったら、お宅に佐々木が入ったら、ササキ&ササキになるやんか…。あ、佐々木千隼は手術後、どうなの?」

 梶原「今年は2勝ですね」

 思い返せば、3年前のドラフト前日、僕は「阪神、佐々木千隼1位」で本紙の1面を書いた。ところが当日、金本知憲は会場入りする直前、僕の顔を見て「サプライズでいくわ」とニヤリ。大山悠輔を単独指名して会場を驚かせたのだ。その年の目玉は田中正義(ソフトバンク)と佐々木の2強。なぜ、佐々木にいかないんだ?そんな声も多く聞こえたけれど…。

 ここで、ちょっとした裏話を。

今回、当方は梅野隆太郎の後釜になるべく阪神の捕手指名に注目していた。上位で消えると予想していた大学生の海野隆司(ソフトバンク2位)、佐藤都志也(ロッテ2位)は想定内。そこで、もう1人…阪神の幹部、スカウトに「捕手らしい捕手で、努力する才能を持った捕手ですよ」と、個人的に推薦していた大学生捕手がいた。天理大の石原貴規である。地元兵庫出身で中学時代は甲子園シニアに所属した虎に馴染み深い選手。高校は西純矢と同じ創志学園出身だし、阪神よ、いかない手はない…と念じていたけれど、彼を5位指名したのはカープだった。もちろん、虎5位指名の高校生捕手・藤田健斗の成長を期待しながらではあるが、カープのイシハラ&イシハラにも注目していきたい。

 阪神は今年、1月からこのドラフト会議当日まで、計10回に及ぶスカウト会議を開いてきた。19年度ドラフトが「素晴らしかった」と評価されるのはまだ先である。だけど、僕の取材の限り、現スカウト陣の眼力はもっと評価されていいと思っている。=敬称略=

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