乾のツイートを楽しみに…

 【10月9日】

 エイバルの乾貴士はこの夜のGT戦をどこで〈観戦〉したのだろう。「大好きな」猛虎のファイナルS第1戦をどのように見たのか…。このところ盛んな彼の虎ツイートを楽しみにしている。

 当欄の読者は乾をよくご存じだと思う。前回のサッカーW杯ロシア大会でその名を世界に広めた侍は、滋賀出身で大の虎党。野洲高時代に全国高校サッカー選手権で優勝し、彼が中心となったパスサッカーがセクシーフットボールと呼ばれたことは有名だけど、あの頃から乾の魂が黄色く染まっていたこともよく知られる。

 1発出れば同点。九回満塁の局面で北條史也に「いけ。繋げ。放り込め」とベンチで念じていたのは、そんな乾と親交のある阪神守備走塁コーチ・久慈照嘉である。

 「凌いでくれた投手陣に感謝して、また取り返す機会ができたんだから、そこで何とかしようという気持ちが大事なんだよ」

 CSファーストSの第3戦(横浜)で一時同点とされる適時失策を犯した北條について、久慈はそんな話をしていた。だから、僕も「ここだ、北條」と願っていた。結果は押し出し四球だから、繋いで「結果」を出した彼を評価しつつ〈挽回〉は次戦に期待である。

 元サッカー担当の当方だから、久慈とはよく乾貴士の話をする。

 阪神がレギュラーシーズンを6連フィニッシュした夜、乾は「最後の6連勝凄かったなぁ!!阪神頑張れー」とツイート。普段スペインでDAZNで中継を見ているようで、ファーストSも1戦ごとにツイッターを更新。ファイナルS進出を決めると「阪神勝った。よっしゃー」とつぶやいていた。

 以前何度か当欄で触れたことがあるのだが、実はサッカー関係者には虎党が多い。サッカー担当だった頃、よく聞かれたものだ。

 「○○選手ってどんな人?」

 僕が携わったザックジャパンにも熱烈な虎党が、スタッフにも、選手にもいた。「僕は久慈選手のファンだったんですよ。あの守備力に魅せられた一人です。昔、よくサンテレビで阪神戦の中継見てましたしね」。そう語っていたのは神戸生まれの日本代表MF柏木陽介。浦和レッズの主将である。

 確かに現役時代の久慈を知る当方も、あの守備力はよく覚えている。けれど、子どもの頃に、4番やエースではなく「久慈ファン」…これはなかなかシブい。

 今年は久慈の渋い顔がテレビで映し出されることが多かった。チームの失策数が100を超えれば無理もない。こっちも仕事だから拙守が重なれば、久慈に話を聞く機会が増える。防げるもの、責められないもの…その都度、担当コーチの見解を確かめたけれど、CSで挽回のチャンスは残った。

 思えば、阪神が4連勝で日本シリーズ進出を決めた14年のファイナルSは、4戦で阪神=2失策に対し、巨人=無失策。王者は、敗れても守備の綻びを防いだのだ。

 この夜両軍は無失策。勝敗はもちろん大事だが、下克上を期す虎の戦いは堅守の先に見えてくるものがあると信じたい。=敬称略=

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