願う。きょう4番復帰

 【8月10日】

 デイリーの後輩達と流行語大賞の話になった。今年の野球界からめぼしいものは?前半戦は「矢野ガッツ」がまずまず健闘していたけれど、「これといって…」ってな話で、さほど盛り上がらず…。

 16年度大賞の「神ってる」からはや3年が経つ。鈴木誠也が2試合連続サヨナラホームランを放ったあのシーズン。緒方孝市発信でカープ快進撃を象徴するフレーズがうまれた。25年ぶりのリーグ制覇から鯉の勢いは収まらず、あれよあれよと3連覇を達成したわけだけど、今年も「神がかる」雰囲気が出てくるのか。4連覇を目指すカープだけど、春先から何かやかんやと苦しんできた。さすがに今年はダメか…と、ギブアップ寸前までいっては踏みとどまる。これが王者の地力なのかと感心するばかりだけど、とはいえ、カープベンチが「やりくり」に苦しんでいたのは、外野からも分かった。

 「岡田(明丈)、中崎(翔太)…そりゃ、想定外はあるよ。一年を通して全て想定通りとはいかないことは分かっているけれど、そんな中で伸びた若手もいるし…」 カープ投手コーチ佐々岡真司はそう言う。結局、長丁場で「想定外」はつきものであり、それを失速の「言い訳」にせず、どう乗り越えていくか。危機管理に長けたチームが生き残る世界である。

 セの首位打者争いで3位につける糸井嘉男が出場登録を抹消された。先日紹介したけれど、得点貢献の指標OPSでチームNo.1の数字を挙げる男だから、当たり前だけど、痛い。「糸井の離脱?想定内だよ!」なんて、ホリエモンじゃないんだから、矢野燿大はそんな強がりを言えないだろう。

 投手陣では、P・ジョンソンの途中離脱、岩貞祐太の故障、R・メッセンジャーの帰国もそうだし藤浪晋太郎の復帰時期も…あ、直近ではY・ソラーテの守備力もそうだろう。矢野にとって「想定の範囲外」は少なくないと思う。もちろん、90を数える失策数も。ただ、そんな踏ん張り所でこそチーム力は試される。踏ん張れるチームと、そうでないチームの差…虎将は痛感しているかもしれない。

 「想定内(外)」というフレーズが流行語大賞に選ばれたのは、阪神が前回優勝した05年。当時ライブドア社長の堀江貴文がその負けず嫌いな性格から連発した言葉であり、堀江が「(大賞受賞は)私にとってまさに想定外」と語って表彰会場の笑いを誘っていたことを思い出す…余談だけれど。

 読者の皆さんにとって矢野阪神「最大の想定外」って何ですか?

この夜、吉田義男の新人安打数に並んだ近本光司かな?もちろん、嬉しい方の…。そんな想定外ならナンボでもと思う。

 一方、個人的な「想定外」を書けば、矢野が大山悠輔を4番から外したことである。当方の思いを好きに言わせてもらえば、きょうにも4番復帰を願う。なぜって?これくらいの試練で外すようでは「阪神の4番」という特別なポジションは育たないからである。

 大山よ、いまこそ、ぶち破れ。4番を取り返せ…。=敬称略=

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