イニエスタ級は気になる?

 【6月16日】

 金本知憲からサッカーネタを尋ねられたのは初めて…かもしれない。「イニエスタって、そんなに凄い選手なのか?世界でいうと、どれくらいのレベル?」。仙台へ来てすぐに交わした会話がこれだった。やはり、ロシアワールドカップのトピックは気になるのか。

 ポジションとかプレースタイルによって好みが分かれるが、中盤のゲームメーカーとしては3本の指に入るかと…。あくまで僕の趣向で大まじめに答えてみた。

 「へえ…」。そう呟く金本の顔つきを見れば、どうやらW杯への関心が深いわけではなさそう。

 「イニエスタは今回のW杯には出ないんだろ?え?出るの??」

 ロシアというよりも…同じホームタウン神戸にやってくる新助っ人がどの程度なのか。メディアは「超一流」と騒ぐけれど、そうはいっても、もう旬を過ぎた選手じゃないのか。おそらく、金本の興味はそっちに向いているようだ。

 アンドレス・イニエスタにとって今回が最後のW杯になりそうだけど、まだまだスペイン代表の司令塔…そう伝えると驚いていた。

 阪神は新外国人エフレン・ナバーロとの契約合意を発表したばかりである。「助っ人」というフレーズに敏感になっても仕方ない。理想は「右の大砲」だったけど、ナバーロは左の技巧派か。まあ大砲でもウィリン・ロサリオの例は沢山ある。「外国人は蓋を開けてみなければ分からないから…」。金本はいつもそう話してきた。

 では、逆に監督に質問。

 例えば、イニエスタクラスの助っ人…野球でいえば、現役バリバリのメジャーリーガーが阪神に加入したとしたら、それでも、蓋を開けて見なければ分からない?

 「やっぱり、分からないと思う…。あ、どうやろ…。昔、ダイエーにケビン・ミッチェルという助っ人が来たな。あれこそ、現役バリバリのメジャーだったけど…」

 サンフランシスコ・ジャイアンツ時代にナ・リーグMVPに輝いた大物だけに、当然とばかり片鱗を披露したミッチェルだけど…。素行に難ありで、95年1シーズン限りで契約解除されてしまった。

 「ナバーロ?もちろん見ていきますよ。助っ人って性格も大事ですよね…。言うこと聞かなかったり自分勝手だったりするとね。大事な枠を一つ奪うわけだから」。 楽天生命パークの記者席で中日スコアラー井本直樹はそう話していた。ナバーロ獲得に触発されたのか、この日は2軍でロサリオも本塁打を放ったそうだけど…。

 土壇場でエース則本昂大に土をつけた。殊勲は中谷将大、高山俊の25歳コンビである。試合後、金本にホンネを聞いてみた。新助っ人が来たら、起用を悩むのでは?

 「ずっと、思ってるよ。彼らに関しては、少々打てなくても、将来を見据えて使ってきた選手だから。彼ら自身もそうだろうし、俺もずっともどかしさはあった。でも、ああいう場面で打てるんだから。自信にしてほしいと思う」

 金本の心を読めば、生え抜きの芽は摘みたくない。助っ人不要といわせてほしいのだ。=敬称略=

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