阪神、オリックス、日本ハムで活躍したデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏（４３）の「超人目線」。今回のテーマは春季キャンプ。初の臨時コーチを務める超人は年末年始もトレーニングに励み、キャンプへ準備万端だ。投打の注目選手に、森下翔太外野手（２４）と現役ドラフトで巨人から加入した畠世周投手（３０）を挙げ、２人の成長とシーズンでの活躍に太鼓判を押した。

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　いよいよ春季キャンプが近づいてきましたね！臨時コーチに向けて、僕の体はバッチリ仕上がってます。誰よりハードなトレーニングを積んでいるという自信がありますし、若い選手たちとの走り込みも大歓迎です！

　見どころは、やっぱり藤川監督ですね。キャンプイン前日のミーティングから始まって、１カ月間の練習や試合を見ていれば、藤川監督がどんな野球をするのか分かってくると思います。監督交代は選手にとってはチャンスでもあります。みんな目の色を変えて練習に取り組むはずです。

　僕の注目は新４番の森下選手です。打順に関しては昨秋の侍ジャパンで経験していますし、問題ないと思います。それに阪神の４番というのはなかなか張れるものではありません。新年早々、藤川監督から指名されたことで本人も意気にも感じているでしょうし、もう一皮むける可能性だってあると見ています。

　森下選手は自主トレも順調そうですね。前半戦になかなか調子が上がらないという課題があるそうですが、プロ３年目を迎えてキャンプの過ごし方も分かっているでしょう。シーズン序盤から状態が良ければシーズンの成績が上がるのは間違いありませんし、過去２年の経験を生かしてほしいと思います。

　この場をお借りしてファンの皆さまに伝えておきたいことがあります。臨時コーチが決まってから「指導したい選手はいますか？」とよく聞かれるのですが…、僕が指導するのはテルちゃん（佐藤輝）だけです！というか、テルしか“見られない”と言った方が正しいですね。そう契約書に書いてあるんですよ（笑）。他の選手には打撃コーチがいますから。僕はテルと一緒にいっぱい打って走る覚悟です。

　そのテルの３番構想は僕も大賛成です。現役時代に数多く経験して大好きな打順でした。テルももう少し早い打順を打ちたいと言っていましたし、１イニング目に一発長打のある打者が控えているというのは、相手投手も嫌でしょう。単純に上位打線の方が打席が多く回ってきますし、テルにとってプラスに働く打順になるかと思います。

　ピッチャーの注目は近大の後輩・畠でしょう。現役時代はインコースの球を振り抜いて、東京ドームのスタンドに放り込んだことがありましたが（笑）。ただ、いいピッチャーであることは間違いない。全球種でストライクが取れますし、スピードも１５０キロを超える。藤川監督のアドバイスを生かすことができればもっと伸びる可能性があります。阪神は現役ドラフトで移籍してきた大竹投手、漆原投手が活躍していますから、畠も２人に続いてほしいですね。

　畠は僕から食事の誘いがなかったら悲しいと言ってるそうですね！ご心配なく、もちろん、誘いますよ。藤川監督の期待も大きいようですし、早くチームになじんで、Ｖの使者になってもらいましょう！