阪神・原口 FA残留決定「来季もタテジマのユニを着て駆け回りたい」 国内FA4人全員残留に
阪神は12日、国内フリーエージェント(FA)権を行使した原口文仁内野手(32)が残留すると発表した。11月12日に行使を表明してから熟考を続けてきた中でついに決断。今年FA権を取得した糸原、坂本、大山を含め4人全員が残留することになった。原口は近日中に会見を行う。
悩みに悩み抜いた末、原口が来季もタテジマに袖を通すことを決意した。11月12日に国内FA権行使を発表してから、ちょうど1カ月。球団を通して残留の決断を発表した。
「この度、来季も阪神タイガースでプレーさせていただくことを決めました。今まで通り、タイガースのため、ファンの皆様のためにタテジマのユニホームを着てグラウンドを駆け回りたいと思います。今後もよろしくお願いいたします」
東京・帝京高から09年度ドラフト6位で入団。度重なるけがで育成枠も経験したが、16年に支配下再登録を勝ち取った。19年には大腸がんを患ったことを公表し、手術を受けリハビリ期間を経て復活。苦難を乗り越え、阪神で15年間を過ごして得た国内FA権だった。
近年は代打としての起用が多く、今季は52試合で65打席に立ち、打率・241、2本塁打、9打点。悩んだ末に「もっとゲームに出たい、スタメンから勝負したいという気持ちが強かったのが一番」と権利の行使を決めた。
球団からは宣言残留も認められていた中、11月23日のファン感謝デー後には「今はまだ動きなくって感じ」と他球団からのオファーはなく、交渉の席には着いていないことを説明。同29日は同じく国内FA権を行使し、巨人からラブコールを送られていた大山が残留を表明したが、原口に動きはなかった。
8日に兵庫県小野市内で行われた「小野ハーフマラソン」に参加した際にも「野球人生で一回あるかないか。大事な権利なので。行使させてもらったからには、野球人生で岐路じゃないですけど。考えて結論を出したい。長すぎるのも良くないので、ある程度は自分の中ではありますけど」と納得いくまで熟考する考えを示していた。
それから4日。悩み続けた末に、プロ16年目も阪神でプレーすることを決断した。同じく今季国内FA権を取得した糸原、坂本は行使せずに残留。行使した大山も残留を決めており、球団、そして阪神ファンにとって何よりの朗報となった。チームは藤川新監督の下、再びリーグ優勝、日本一を目指していく。頼れるベテランが必死のパッチで来季もチームを支えていく。
◆原口 文仁(はらぐち・ふみひと)1992年3月3日生まれ、32歳。埼玉県出身。182センチ、95キロ。右投げ右打ち。捕手。帝京から09年度ドラフト6位で阪神入団。13年からの育成契約を経て16年に支配下復帰。18年の代打安打23本は球団タイ記録。19年1月に大腸がんを公表。手術後、リハビリなどを経て同6月4日のロッテ戦で1軍復帰。23年は主に代打でリーグ優勝、日本一に貢献。