阪神・岡田監督のカミナリ落ちた 及川に「何で逃げるんやろなあ」佐藤輝に「言うまでもないやんか」
「ヤクルト4(降雨コールド)0阪神」(7日、神宮球場)
阪神・岡田彰布監督(66)が先発の及川雅貴投手(23)にカミナリを落とした。悪天候予報の中、初回に逃げたように映った四球から先制2ランを浴びた場面を「なんで逃げるんやろなあ」と厳しく指摘。佐藤輝明内野手(25)の2失策も失点につながった。雷鳴とどろく雨天コールドで、4カードぶりの負け越しとなった。
神宮の夜空に何度も雷鳴がとどろいた。二回の阪神の攻撃中に雨が降り出し、薄暮の空に稲光が走るたび、観客席からどよめきが起こった。雷と雨脚は時間の経過とともに強さを増し、4点差の五回途中に試合が中断。午後7時51分にコールドゲームが成立した。
連敗で4カードぶりの負け越しが決まった試合後、岡田監督もカミナリを落とした。取材場所となるクラブハウスの一室で、ソファに腰かけることもなく「何もないやろ」と切り出した表情には怒気が満ちていた。
「だからフォアボールはあかんっていうの。やられると思ったよ。一人で、ホームランでいいねん、ソロで。何で逃げるんやろなあ」
怒りの矛先は先発の及川に向いた。初回2死からサンタナを四球で歩かせた。「別にどこ投げようといいけど、そんなコントロールがビシバシ決まるピッチャーやないんやから」。強気の姿勢を欠いたようなボール先行の投球が、指揮官の目には“逃げ”に映った。
続く村上には1ボールから高めに浮いた変化球を右中間スタンドに運ばれ、いきなり2点のビハインドを背負った。背信に終わった左腕の次回登板については「分からへんって、終わってばかりで」と話すにとどめた。
1イニング2失策の佐藤輝も切り捨てた。「そんなもん、もう痛いの分かるやんか。言うまでもないやんか」。二回1死一塁で松本直の三ゴロにバウンドを合わせ損ねて後逸。さらに一、二塁からサイスニードの犠打を一塁へ悪送球した。連続失策で1死満塁とピンチが拡大し、丸山和の二ゴロの間に三走・山田が生還。2死一、三塁から長岡の左前適時打でさらに1点を失い、序盤で4点を追う展開となった。
「最初から雨の予報で分かってるんやから。2回中断して、今日は(試合終了が午後)11時やって言うとったんやけどな。審判にな。メンバー交換の時に」。中断やコールドゲームも十分に想定されただけに、ミスを最小限にとどめながら先行する展開を描いていた指揮官にとって、誤算だらけの一戦となった。
好調に滑り出した後半戦だったが、神宮はこれで5連敗。9連戦は思わぬ足踏みスタートとなったが、今の猛虎には確かな反発力がある。