阪神・及川無念 マメつぶれて緊急降板 ホロ苦聖地初先発 四回までは無失点「粘ることができていた」悔しさ1敗

 5回、負傷降板する及川。奥は交代を告げに向かう岡田監督(撮影・中田匡峻)
 5回、先制を許した後、指を気にする及川(撮影・田中太一)
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 「阪神0-1巨人」(24日、甲子園球場)

 岡田阪神は巨人・戸郷にノーヒットノーランを食らい、連勝が2で止まった。プロ2度目の先発登板となった及川雅貴投手(23)は左手指のマメがつぶれるアクシデントに見舞われ、五回途中で無念の降板。四回まで走者を出しながらも無失点で踏ん張っていたが、先発初白星は遠かった。

 投げたくても投げられない。足取りは重く、悔しさをにじませながらマウンドを後にした。今季初先発の及川は左手指のマメがつぶれるアクシデントで緊急降板。「次にまた機会があれば頑張ります」。収穫と課題を得た1敗。この70球が次戦への糧になる。

 初回は先頭の丸に左前打を浴びたが、1死一塁から吉川を二ゴロ併殺打。二回も1死一塁から岸田をゲッツーに仕留めた。緊張からの力みで制球が乱れることもあったが、四回までは無失点。「粘ることができていた。そこは良かった」。快調にイニングを重ねていたが、五回に悪夢が待っていた。

 1死からオコエに左前打を許し、二盗も決められる。1死二塁から泉口に高めの速球を左前へはじき返された。「ちょっと高くなって、中に入った部分があった」。本塁後方でグッと歯を食いしばる。そして、続く戸郷への初球にアクシデントが発生した。

 変化球が外角高めへと抜けると、捕手の坂本が異変を察知。安藤投手コーチとトレーナーが駆けつけ、左指を気にするしぐさを見せた。治療後に投球練習をしたが、1球で断念。4回1/3を4安打1失点で降板した。岡田監督は「ファームで1回マメをつぶして、そこと同じところみたいやけどな」と説明。「ちょっと当分あかんやろ、投げられへん」と2軍降格になる見込みだ。

 内容自体は悪くなかっただけに、不完全燃焼。戸郷がノーヒットノーランという歴史的な快挙の裏で涙をのんだ。だが、下を向いていては始まらない。「そういった投手と投げ合えたというのは気も引き締まりました」。打席にも立ち、改めて1軍級のレベルを認識することもできた。

 昨季はブルペンデーでの1番手。今回は実質“プロ初先発”だった。「次回またチャンスをいただけたら、自分の中で(気持ちを)制御できると思う。そこは次につながるかなと思います」。歴史的な一戦での黒星を無駄にはしない。

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