「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２３、阪神タイガース６－２オリックス・バファローズ」（２日、甲子園球場）

　阪神・糸原健斗内野手の一撃がビッグイニングへの礎となった。２点を追う八回、無死二塁で代打起用。「上位に回せば２点差は何とかなる」。その思いを胸に打席に向かい、木浪の内野安打に相手のミスで広がったチャンスをさらに拡大した。

　１５０キロ超を連発してきた山崎颯に対して、カウント２－２からの高め直球に反応。会心の当たりではなかったが、打球は詰まりながらも左前へ。大きな仕事を成し遂げると、代走を告げられ、跳ねるようにベンチへ戻る。「木浪が汚いヒットを打ったんで、自分も汚いヒットを打ってつなごうと。後のバッターが続いてくれて良かった」と胸を張った。

　甲子園で王手星をつかむ勝利の整列後は、盟友のミエセスと肩を組んで、虎党からの大歓声を浴びた。「今日取れたのは大きい。しっかり全員野球で一丸となって勝ちたい」。前夜の第４戦では佐藤輝に代わり途中出場。安定した守備だけでなく安打も放ち、存在感を示した。代打で尽力し続けてきた１年の集大成。必ず日本一を達成する。