阪神29年ぶり聖地G戦6連勝 佐藤輝が連夜マルチ&同点打で導いた 5戦連続H!上昇ムードや
「阪神タイガース8-5読売ジャイアンツ」(26日、甲子園球場)
テルがまた打った!阪神・佐藤輝明内野手(24)がチームを1994年以来29年ぶりとなる甲子園での巨人戦6連勝へ導いた。二回は先制点をお膳立てする右前打。七回には左前へ同点適時打を放ち、連続試合安打も5に伸ばした。チームも3連勝。2位・広島が猛烈な勢いで迫ってくる中、若き主砲の復調は頼もしい限りだ。
異様な雰囲気に包まれた聖地の空気を、佐藤輝が一振りで歓喜の渦に変えた。継投直後の“因縁の相手”から放った価値ある同点打。変則左腕からマークした自身初安打にもなり、「めっちゃうれしいです。1本も打ててなかったので良かったです」と感情をさらけ出した。
虎党のボルテージが最高潮に達したのは1点を追う七回だ。高梨が7月2日の近本が骨折した死球後、阪神戦初登板。右翼スタンドから容赦ないブーイングを浴びながらマウンドに向かったが、インターバルにも佐藤輝の集中力は途切れなかった。
1死一、二塁の絶好機に、「しっかりコースを絞って」と意識を刻む。初球空振りの後、連続で来た直球をはじき返した。横っ跳びの遊撃・門脇も届かず、三遊間を破る同点適時打となり、「抜けてくれたんで、何でも良いです」。結果的に29年ぶりの甲子園巨人戦6連勝につながる一打となり、ベース上で何度も手をたたいた後、両手で力強くガッツポーズを決めた。
日中の明るさと暑さがまだまだ残っていた二回に3点先制したが、その口火も佐藤輝の一撃だった。無死一塁で初球から積極的なスイングを魅せた。カットボールを引っ張って右前に運んで、前半戦ラストとなった17日・中日戦(甲子園)から5試合連続安打をマーク。無死一、三塁とチャンスを広げて、先取点をお膳立てした。
初球撃ちの1本目と2球目を捉えた2本目でマルチ安打を記録して、「しっかり早いカウントで仕留められてると思います」と納得顔。直近5戦打率・350、1本塁打、6打点、後半戦を迎えて打撃復調の気配が漂う。「バットを変えて、いい感じですね」と23日・ヤクルト戦の第4打席から使用している、ツートーンカラーから変更した茶色の相棒を好調の要因に挙げた。
首位を死守して、さぁ伝統の一戦3タテへ。「もちろん一戦一戦勝つつもりでやってるので、頑張ります」。ウル虎の夏に放つ背番号8の輝きが、宿命のライバルを震え上がらせる。