阪神・桐敷プロ初星 あっぱれ自己最多10K 虎にまたニューヒーロー誕生で6連勝

 「阪神2-1巨人」(26日、甲子園球場)

 岡田阪神にまた一人、ニューヒーローが誕生した。先発した2年目左腕の桐敷拓馬投手(23)が7回を5安打10奪三振1失点の快投。待望のプロ初勝利を挙げ、チームを今季2度目の6連勝に導いた。貯金を今季最多の15とし、2位・DeNAとは今季最大の5ゲーム差。次々に台頭する若き力が、虎の勢いをどんどん加速させていく。

 今季最多4万2615人の大観衆の中、後ろを向き、ふっと息をつく。投じた第1球。桐敷が323日ぶりに1軍のマウンドに帰ってきた。遠かった、やっと手にした、プロ初白星だ。

 「開幕して調子が良くなかったので、不安もありましたけど、切り替えてやってきた。遅かったなというのはありますけど、結果的に初勝利ができたのでうれしいですね」

 初回、いきなりこの日最速の149キロも計測し、三者凡退。「初回から全力で飛ばすのを意識して投げようと思っていた」と抜群の立ち上がりを見せた。三回には2死三塁から坂本に左翼フェンス直撃の適時打を浴び1点を献上したが、最少失点で乗り切った。

 最大のピンチは六回だった。失策と安打で2死一、二塁で迎えた大城卓。マウンドに集まった安藤投手コーチからは「粘りどころ」、1月に自主トレを共にした梅野からは「甘くいくことが一番だめなところ」とゲキを受けた。腹をくくって投じたスライダーで投ゴロに仕留め「よしっ」と小さくガッツポーズしてみせた。

 ルーキーイヤーの昨季は開幕1軍、開幕ローテ入りを果たしたが、中継ぎも含め7試合に登板するも初勝利はならず。ファームでは優秀選手賞を受賞したが、1軍の壁を痛感した。「去年勝てなかったので、初勝利できるように」。年男で迎えた新年にそう抱負を述べていた。

 ただ、開幕1軍はつかめず。ファームで登板を重ね「いつでも1軍に上がれるように」と来たるべきチャンスへコツコツと準備した。ファームでは福原2軍投手コーチの助言もあり、常に「考えて投げる」ことを意識。その中でも毎回口にしていたのが「1を大事に」。「ストライク先行はそうですし、先頭を斬ることは特に意識していた」。前回登板の18日、ウエスタン・中日戦(ナゴヤ)で完投した際には「だいぶ手応えはつかめました」と積み重ねの成果を実感した。

 伝統の一戦でプロ入り後最長の7回を投げ、5安打1失点、自己最多となる毎回の10奪三振。チームを6連勝に導き、初めてのお立ち台にも上がった。「(勝てたことは)大きいですし、やっとスタート地点じゃないですけど、1勝がまずはできたのでほっとしています。ここからまた頑張りたい」。もう不安はない。その笑顔に2年目の進化を予感させた。

 ◆桐敷 拓馬(きりしき・たくま)1999年6月20日生まれ、23歳。埼玉県出身。179センチ、90キロ。左投げ左打ち。投手。本庄東、新潟医療福祉大を経て2021年度ドラフト3位で阪神入団。プロ初登板初先発は22年3月27日・ヤクルト戦で敗戦投手。今季ウエスタンは8試合で3勝3敗、防御率5・13。

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