阪神“七回の男”石井を支える“立体的投球術” OP戦から計12イニングいまだ無傷の理由
最近の試合で活躍した阪神選手を深掘りする新企画「A.R.E.で賞」がスタート(不定期掲載)。今回は1日のDeNA戦でプロ初ホールドを挙げるなど、“七回の男”に定着しつつある石井大智投手(25)だ。オープン戦から11試合に登板し、計12イニングを投げていまだ無失点。快進撃が続く理由を語った。
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どんなシチュエーションで登板しようが、石井は動じない。まだ開幕したばかり。それでも、今春から積み上げた自信が、マウンドでの景色を変えた。
「投げるためにベンチに入っているので。どんな時でも行けと言われたら行く(心の)準備はできています」
1日・DeNA戦で延長十回のマウンドに上がり、1回をパーフェクト投球でプロ初ホールドを記録。4日・広島戦で、早くも2ホールド目をマークした。“七回の男”に定着しつつあり、「やりがいがある」と語った。ただ、「シーズン終盤でこの立ち位置にいられるかどうか」と登板を重ねた先に自身の真価を問う。
オープン戦からここまでいまだ“無傷”。結果を出してきたことにより、ブルペンでの肩の作り方にもゆとりが生まれた。「去年は(ブルペン投球の)球数が少なかったら不安だったけど、今は自分で極力少なくできています」。岩崎ら中継ぎ陣の先輩からは「20、30試合を投げてからが勝負」と助言を受けた。故障や疲労を回避しながらいかに結果を出すかが、中継ぎとして地位を確立するための最善策と考える。
今季から使用する新球・フォークは、得意球としていたシンカーとの相性は抜群。球速はともに130キロ台半ばでありながら、「フォークは真っすぐを待っていたような打ち方をされるし、シンカーでは泳いでくれる」と打者も意図した通りの反応を見せている。2種類の落ち球でストライクゾーンの奥行きを駆使。“立体的投球術”が安定した投球を支えている。
「自分は1年間やりきったことはないですし、1年間戦わないと意味がない。結果を積み重ねていくだけです」。岡田監督からの信頼を揺るぎないものとし、今季は石井がニューヒーローとなる。
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