阪神・近本 栗林撃ち!劇的同点打 対広島10連敗まであと1人から 20戦連続安打

 「広島3-3阪神」(23日、マツダスタジアム)

 勝てなかったけど、負けなかった。1点を追った九回2死二塁から、阪神・近本光司外野手(27)が起死回生の同点右前適時打。初回には自己最長を更新する20試合連続安打となる先制の中前適時打。五回の右前打を含めて今季8度目の猛打賞で、打率を3割に乗せた。チームは5位に転落したが、まだここからだ。

 この男のバットは止まらない。近本がまたしても快音を奏でた。自己最長を更新する20試合連続安打で、球団では64年・藤井栄治、95年・クールボーに並ぶ歴代9位タイとした。

 「なんとしても一本出さなきゃいけない場面で、相手も好投手ですし、とにかく打席の中で食らいつくだけでした。抜けろと思って走っていました」

 執念を見せた。1点ビハインドの九回に広島の守護神・栗林から作った2死二塁のチャンス。カウント2-2からフォークに食らいついた。打球は一、二塁間を破り、二走・植田が快足を飛ばして同点のホームへ生還。土壇場で試合を振り出しに戻し、二塁ベース上で両手を挙げてベンチに笑顔を向けた。

 初回から絶好調だった。相手のバッテリーミスに乗じて作った無死二、三塁の好機。「内野が前に来ていたので、強い打球を打つことを心がけました」とアンダーソンの152キロ直球をはじき返し、先制の中前適時打を放った。

 五回には右前打をマークしており、今季8度目となる連夜の猛打賞。打率・302と、ついに3割に到達し、DeNA・佐野、ヤクルト・村上に次ぐリーグ3位に浮上した。それでも「打率は変動するものなので意識しないです」ときっぱり。「最後に3割を打っておかないと。途中で3割打ったところでね。ここから落ちていったら意味がないと思う」とさらなる高みを見据える。

 チームは開幕から未勝利の広島相手に悔やまれるドローで5位転落。中日に勝利した首位・ヤクルトとのゲーム差は15となり、過去最大の優勝のデッドラインを越えた。暗い数字や言葉が並ぶが、前を向くしかない。

 「負けることなく終われたんで良かった」と近本。矢野監督も「2アウトまでいったけど、追いついたというのは、相手の栗林もいいクローザーなので、良かった部分かな」と明るい要素として捉えた。ヒットメーカーの勢いを力に、はい上がっていく。

 ◆対広島初勝利ならず 阪神は広島と引き分けたため、開幕からカード9連敗(2分け含む)で継続。球団最長は88年4月8日~6月9日の10連敗。同年の広島戦初勝利は7月5日だった。今年は次の広島戦が7月5~7日。初勝利はいつになるか。

 ◆首位と15・0ゲーム差 首位・ヤクルトが勝ち、阪神が引き分けたため、首位とのゲーム差は15・0となった。プロ野球史上最大差逆転優勝は63年・西鉄の14・5差だった。阪神はこのデッドラインを越えた。

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