「ヤクルト１－８阪神」（１８日、神宮球場）

　心地よい快音を響かせ、歓声に押された阪神のジェフリー・マルテ内野手の打球は吸い込まれるように虎党が待つ左翼ポール際に消えた。今季５３打席目にして待望の１号ソロ。神宮の夜空を彩った“猛虎花火大会”開始を告げる先制弾だ。

　「まずチームが勝ててうれしいけど、初ホームランってこともうれしいね」

　初回２死走者なしで迎えた第１打席。カウント１－１から左腕・高橋が投じた１５１キロ直球を捉えた。低い弾道でスタンドへ一直線。ダイヤモンドを悠々と一周すると、ベンチ前で矢野監督からファンが作った虎メダルを贈呈され、仲間と豪快に決めポーズのラパンパラをさく裂させた。

　助っ人の一発を口火に、チームは今季最多の４本塁打。猛打を振るって快勝した。

　来日４年目のシーズン。今季は右足コンディション不良で一時は戦列を離れたが、もう問題ない。チームの勝利に貢献するために、納得がいくまでとにかくバットを振ってきた。本拠地開催の際には、全体練習後に室内練習場でマシン相手に打ち込むこともある。

　まだ前半戦。「始まったときはすごい負け越したけど、みんな諦めてないし、だんだん状態も戻ってきている。この調子で勝ち続けたいね」とマルテ。目覚めた打棒でチームを勢いに乗せる。

　◆左腕相手に今季４勝目　相手先発が左投手の試合は１５日・ＤｅＮＡ戦（先発・東）に８－１で勝利したのに続き２連勝。今季４勝１２敗。