【藤田平氏の眼】阪神・西純 まるで鉄腕・稲尾さんと同じだ
「ヤクルト1-8阪神」(18日、神宮球場)
投打で素晴らしい。プロ初完投勝利を飾った阪神の先発・西純だが、まず投球フォームで昨季と異なる部分は左足を上げる際に右足のかかとも上げている点。そして、左足を下げると同時に右足のかかとを地面につけて投球している。大投手だった稲尾和久さんも同様だった。
稲尾さんからお話を伺ったことがある。かかとを上げスッと地につける動作は球持ちの良さにつながるという。打者もタイミングが取りづらくなる。おそらく西純は自分で右足に力をためる方法を考えた末にたどり着いたのだろう。
バッティングに関してはヘッドの使い方がいい。投手なのでリストが強いのだろう。バットのヘッドをムチのようにしならせるイメージでスイングし、軽くコンパクトに振っても打球が飛んでいく。
スイングも、ぎごちなさがなく野手のようだった。ロッテ・佐々木朗と同じ高卒3年目。この日の西純は投打でセンスの良さを感じさせてくれた。