阪神・中野 プロ初1試合2発「人生で一番の手応え」 サイクル超え4安打で打率3割

 「DeNA2-9阪神」(14日、横浜スタジアム)

 サイクル超えの大当たりで借りを返した。阪神・中野拓夢内野手(25)が自身初の1試合2本塁打を含む4安打4打点の活躍で連敗を「2」で止め、サヨナラ負けを喫した6日の中日戦で援護できなかった青柳に4勝目をプレゼントした。打率を3割に乗せた若武者が連勝を導く。

 171センチと小柄な体から放たれた2発のアーチに、横浜スタジアムのどよめきが収まらない。中野は2打席ともいつものように全力で駆け出したが、軌道の行方を確認して百点満点の笑顔を繰り返した。

 自身初の1試合2発に、お立ち台でも興奮を隠せない。「自分が一番驚いています!!」。まずは1点リードの三回無死二塁。初球の甘く入ったフォーク迷いなく一閃(いっせん)。「入る感触ではなかった。越えてくれと」。そう願った白球は、右翼席ギリギリに飛び込む2号2ランとなった。

 初回は右腕から右中間フェンス直撃の二塁打、五回の第3打席では中前打。三塁打が出ればサイクル安打という状況で、快挙達成への期待が高まっていた。「4打席目からサイクルは狙っていました」と明かしたが、そんな希望を上回る“サイクル安打超え”を演出する。

 5点リードの六回2死二塁。宮国の直球を強振。角度良く上がった飛距離十分の打球は右翼席に着弾。「人生で一番手応えがありました」。両手に残る確かな感触が、自身の成長を実感させた。

 「自分はホームランバッターじゃない」と苦笑いするが、遠くに打球を飛ばすようになった原点は、三菱自動車岡崎在籍時。「遅い球をどれだけ遠くに飛ばせるか」という野波尚伸監督(50)のチーム方針に従い、1時間ぶっ通しで直球やカーブのマシン打撃と“対決”し、戦う体力と飛距離向上を図った。

 野波監督から「強く振って当たれば、ホームランになる」とお墨付きをもらっていたが、2発のアーチでさらなる進化を証明。中野は「思い切りの良さが出た結果です」と冷静に分析した。

 6日・中日戦で9回1/3を1失点でサヨナラ負けの敗戦投手と見殺しにした青柳へ、今回は4打点と大量援護でアシスト。「エースに負けをつけさせてしまっていた。楽な状態で勝ちをつけさせたいというのはあったので」。エースを勝たせたい-。思いと意地が存分に詰まった勝利のアーチだった。

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