岡田彰布氏 阪神・近本、中野は「出塁率」への意識を 佐藤輝へつなぐことが得点力アップのカギ

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(64)が、自身の経験を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」。290回目は近本光司外野手、中野拓夢内野手を1、2番で固定するべきとの考えを示した上で、2選手が出塁率を意識し、佐藤輝明内野手へつなぐことが課題の得点力アップにつながると説いた。

  ◇  ◇

 阪神は26試合を終えて零封負けが6試合で得点がリーグワーストの73点か。少しずつ打線が上向いている感じはあるけど、得点力アップが課題やなあ。ここまでを見て佐藤輝はいい滑り出しをしているだけに近本、中野の打撃内容が気になる。

 俺は2人を1、2番で固定するべきやと思っとるし、今後はその打順を任される可能性が高いことを考えた場合、2人に今以上に意識してもらいたいことがある。

 打席で「打ちたい、打ちたい」と考えるのではなく、「塁に出たい」という考えを持ってもらいたい。打率や安打数より、出塁率を意識してほしい。

 中野は111打席に立って四球がゼロで出塁率・286。近本は3番を打った影響もあるとは思うけど、持っている力を考えれば、出塁率・322は物足りない。

 出塁率を上げるために、打撃スタイルを変えることはなかなか難しいかもしれへんけど、まず意識から変えてもらいたい。

 フルカウントからボール気味の球に手が出てしまうところを我慢する。厳しいコースの球までフェアゾーンの中に入れたりしようとせずにカットして逃げる。打席で常にそういう意識を持って、次につなぐことを積み重ねていけば、出塁率は上がっていく。

 2人が塁に出られれば、後ろを打つ佐藤輝に対する攻め方は変わってくる。状況にもよるけど、相手投手は佐藤輝を迎えた時に走者がいれば、四球で走者をためてビッグイニングにされることは避けたいし、勝負せざるを得なくなる場面も出てくる。

 これは佐藤輝の後ろを打つ打者の状態も関係してくることやけど、チームと得点力を上げるには、まず佐藤輝と勝負してもらう状況を増やさんと。そのためにも2人の出塁がポイントやな。

 今年の佐藤輝は今のところは相手の攻めに対応できているように見える。去年は59打席連続無安打があったけど、オフの間に課題を意識してやってきた結果やろう。

 今年はホームランの内容も良くなっとると思うよ。15日の巨人戦で菅野から打った本塁打は、追い込まれて軽打するようにさばいて右翼席へ運んだ。「狙いにいって1、2の3でホームラン」というのではなく、「相手の攻めを考えながら結果としてホームラン」というのが増えていることを感じたな。

 佐藤輝の状態が安定しているだけに近本、中野の出塁が増えていけば、自然と得点力は上がっていくと思うよ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス