阪神ドラ2鈴木 長距離走で先発適性示す 駆け引き、ペース配分、負けん気に文句なし
駆け引きのうまさと負けん気の強さを見せつけた。阪神の新人合同自主トレ恒例の3000メートル走が22日に鳴尾浜で行われ、ドラフト2位・鈴木勇斗投手(21)=創価大=が12分33秒でトップ。そのレース運びの巧みさは、菊花賞などの長距離戦で見せるJRA・武豊ばりのものだった。
桐敷、岡留、豊田がコンディションを考慮して出走を回避。グラウンドを8周する“5頭立て”で行われた一戦はドラ1・森木が終始、引っ張る展開となった。鈴木は2周目で一度だけ先頭に立ったものの、「このままでは最後にペースを上げることができない」と5周目にはあえて4位に後退し、6周目に入ると再び2番手につける。最終周回で半周を残して先頭に立つと、2位・森木に10秒差をつけて悠々とゴールを駆け抜けた。
「森木が飛ばしていたので落ちるのを待って。終盤でペースが落ちてくるのが見えたので“これはいけるな”と」。してやったりの表情で振り返った鈴木は「学級委員長になれなくて一人ですごく泣いた」という中学2年時の負けず嫌いのエピソードも明かす。
1軍キャンプも決定したルーキー左腕。「きょうは視野が狭くならず、落ち着きがあった。ピッチングにも生かしていきたい」とペース配分にたけた先発完投型を目指すことを誓った。