阪神・近本 ぶっ飛びトレで進化 バク転&バク宙で“脳内革命”スロースターター克服だ

 浜辺でトレーニングを行う近本(球団提供)
 トレーニング中、海を見つめる近本(球団提供)
 浜辺でトレーニングを行う近本(球団提供)
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 阪神・近本光司外野手(27)が12日、鹿児島県沖永良部島での自主トレを公開した。今オフはバク転、バク宙を新たにトレーニングメニューとして追加。脳で描くイメージと体の動きを一致させ、さらなる進化を図る。大阪ガス時代からサポートを受けるスポーツトレーナーの仲林久善氏(36)からは、課題とするスロースターター克服に太鼓判を押された。

 温暖な離島でシーズンへの準備を整える近本。野球とはまったく関係ないバク転、バク宙を新たなトレーニングメニューに加えた狙いについて「今までやったことがなかったので、やったことがない感覚がほしいなと。脳への刺激にもなる」と説明した。

 さすがの運動神経でバク転はマスターし、バク宙は現在6、7割の完成度。最初は「やってみて映像を見ると、自分の思い描いている動きと違っていた」と振り返る。

 特殊な動作を通して、脳のイメージと実際の動きの差を埋める鍛錬は一般的に「コーディネーショントレーニング」と呼ばれ、さまざまなスポーツ界で取り入れられている。近本いわくバク転、バク宙は「練習のための練習」だと明かし、「僕はそっちの方が大事だと思っています」。野球とは関係ない動きから学ぶ狙いは、理想とする技術の再現性だ。

 本番のための技術練習でも「思い描いている100%の動きにちょっとずつ近づく」と近本。走攻守全てで理想とする姿をグラウンドで表現したい。だからこそバク転、バク宙に真剣に取り組み、野球へとつなげていく考えだ。

 課題克服にも手応えをつかみつつある。昨年、一昨年と春先になかなか調子が上がらなかった。持論として不調期間を「どこかで作らないといけない。考えること、迷うことが必要になることもある」と明かす。年間を通して好調を維持することは難しい。ただ開幕ダッシュを決めるためには、打線のけん引役としてかかる期待は大きくなる。

 スロースターター返上へ「言葉にはしづらい」と言いつつも「対策はある」と力を込めた。仲林トレーナーは「その(不調の)期間を成長するごとに前倒しできるんじゃないかなと。今年はスタートダッシュが例年よりも早い段階で出てくるのではないかと考えております」と太鼓判を押した。

 チームが苦しい時期に「僕が引っ張っていければ」と中心選手としての責任を口にした近本。今季も猛虎打線をけん引し、17年ぶりの優勝へ突き進む。

 ◆コーディネーショントレーニングとは? 1970年代に旧東ドイツで生まれたトレーニング理論。器械体操などで脳のイメージと体の動きを連動させることが狙いで、運動神経を向上させることが目的。欧米では広く取り入れられており、高校野球界では名門の龍谷大平安が倒立など器械体操をウオーミングアップに取り入れ、運動能力向上を図っている。

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