阪神 新守護神候補ケラーと契約合意 伸びしろ十分28歳の奪三振マシン

 阪神の嶌村聡球団本部長(54)は10日、新外国人として獲得交渉を進めていたカイル・ケラー投手(28)=前パイレーツ=と合意に達したことを明かした。最速157キロの直球と、カーブで打者を圧倒する奪三振マシン。2年連続最多セーブ賞に輝き、メジャーへ移籍したスアレスに代わる守護神として期待される。

 阪神がクローザー問題解決への糸口をつかんだ。“ポストスアレス”は最速157キロの右腕・ケラーだ。嶌村球団本部長は「カイル・ケラー投手と契約合意致しました」と明かし、新守護神候補として期待感を膨らませた。

 「当然スアレス選手がいたら獲得にはいっていない選手ではありますから、リリーフとして非常に期待感がある。そこ(起用法)は監督にお任せですけど、ええ位置で投げてもらえればと思います」

 昨季はエンゼルスで大谷とプレーし、今季はパイレーツに所属。全て救援で32試合に登板し、1勝1敗2ホールドをマークした。

 防御率6・48ながら、阪神が注目したのは奪三振率だ。メジャーでは今季33回1/3で36三振を奪い、通算でも46回1/3で48奪三振。嶌村本部長が「真っすぐで差し込んでいる。三振が多い」と話すように奪三振率は9・32。威力ある直球と鋭く曲がるカーブで強打者を打ち取ってきた。

 メジャー3年間で、通算44試合の実績はPJの姿に重なる。19年に阪神に所属したピアース・ジョンソンも、来日前はメジャー2年間で通算38試合の登板だった。来日前年は防御率5・56ながら、日本ではセットアッパーとして58試合に登板し、2勝3敗40ホールド、防御率1・38と覚醒した。

 嶌村本部長は「PJの場合はドロップカーブみたいなのがあって、少しタイプは違うんですけど、両方ともいいピッチャー。ストレートの勢いはケラーの方がある」とPJ級の活躍に期待。まだ28歳と若く、伸びしろも十分にありそうだ。

 阪神にとって今オフの最重要課題はスアレスに代わる守護神だ。矢野監督はこれまでに「優(岩崎)がクローザーをやってくれるなら俺的に問題ない」と構想を披露していた。ケラーにメドが立てば、今季までのように岩崎の八回起用が可能となり、懸案事項も一気に解決する。

 来季も外国人8人体制で臨む中、新助っ人・ウィルカーソンは先発タイプでリリーフはケラーのみ。身長193センチの長身右腕が来季の虎の命運を握りそうだ。

 ◆カイル・ケラー(KyleKeller)1993年4月28日生まれ、28歳。米国ルイジアナ州出身。193センチ、92キロ。右投げ右打ち。投手。サウスイースタン・ルイジアナ大から2015年ドラフト18巡目でマーリンズ入団。19年8月にメジャーデビュー。20年のエンゼルスを経て、今季はパイレーツでプレー。メジャー通算成績は44試合1勝1敗、防御率5.83。

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